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    [2010.10.22] -[議会報告]

    10月12日の一般質問の知事答弁です。

    2010年9月議会 10月12日  一般質問 答弁

    1 知事の政治姿勢について
     (1)財政運営について
      これまでの県政は、大型開発最優先に県民の命と暮らしを切り捨ててきた。知事は新たな「財政再建の方策」を考えるということだが、これまでの財政再建と同じく、母子医療や重度心身障害者の医療費助成制度などのように、命と暮らしを守る施策切り捨ててまで進めていこうとする考えなのか。財政再建の基本的考え方の中に、これ以上の福祉・暮らし切り捨ては一歩たりとも許さないという強い決意を持っているのかどうか知事に伺う。
      真の財政再建のためには大型開発を見直す必要があり、その1つがダム事業である、特に内海ダム再開発事業は現在裁判闘争中であり、慎重に対応しなければならない。知事は選挙中に内海ダムの視察をされたようだが、知事となった今、一方的な説明を受けるだけでなく県民の様々な思いも聴き、違った角度からも現場を見ることが必要ではないか。前知事から引き継いだダム開発を、一から見直す考えはないか、お尋ねする。
      現在開発中の多目的国際ターミナルの整備は175億かけて国県市が行う事業であり、中でも特にマイナス12mの3万トン級バースについては、整備の必要があるのかはなはだ疑問である。「大型岸壁がないため大型船が貨物を満載して入港できず、喫水調整や二次輸送が必要」な船の入港は、いったい年間何隻あるのか伺いたい。また、その数からしてこの計画を見直すことが必要だとはお考えにならないのか、知事の考えを伺う。


    (知事答弁)
     白川議員のご質問にお答えいたします。
     まず、私の政治姿勢のうち、財政運営についてであります。
     厳しい財政状況の中、財政再建の取り組みを進めてまいります一方、医療・福祉の充実をはじめ、「安心できる香川」づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。
     また、ご指摘のダム事業については、治水・利水の両面から極めて重要な事業であることから、新内海ダムについては、平成25年度の完成にむけ、計画どおり進めるとともに、椛川ダムなど3ダムについては、国土交通大臣からの要請を受け、検証することとしております。
     多目的国際ターミナルについては、船舶の大型化に対応する、水深12メートルの耐震強化岸壁を整備するとともに、手狭になっているコンテナヤードの拡張を図るものであり、あわせて、大規模地震災害時の復旧拠点としての役割も担う計画としております。
     なお、お尋ねの隻数については、入港するのに潮待ちや喫水調整を行ったと思われる1万トン以上の船舶が、昨年は、原木の運搬船4隻、木製品の運搬船16隻、穀物の運搬船2隻の合計22隻ありました。
     また、このほか、小型船に積み替えて入港したものや、陸送に変更したものもあると考えております。


    1 知事の政治姿勢について
     (2)乳幼児医療費支給事業について
      子どもの医療費の無料化を小学校卒業まで引き上げた場合、私的な試算ではあと8億円もあれば実現するものであり、県内の市町でも中学校卒業まで無料というところも増えてきている。国に医療費無料化の制度を求めるとともに、県内の市町でも中学校卒業まで無料というところも増えてきている。国に医療費無料化の制度を求めるとともに、県の制度を充実していけばさらに上乗せでこの制度の幅を広げることができると考える。「子育てしやすい香川」を言うのであればこういう施策こそ充実させるべきである。国に制度創設を求めるとともに、せめて小学校卒業まで引き上げる考えはないか。
      また、現物給付を実施した場合の国庫負担の減額措置について、どう認識しているか。理不尽な制度を早期にやめさせることを強く国に求めてはどうか。
      

    (知事答弁)
    次に、私の政治姿勢のうち、乳幼児医療費支給事業についてであります。
     乳幼児医療費支給事業については、市町が事業実施主体となり、県がその経費に対し助成するものであり、子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、順次、拡充されてきたものと承知しております。
     ご指摘のような対象年齢の拡充については、厳しい財政状況のもと、現段階では、難しい状況にあると考えておりますが、国に対して、引き続き乳幼児医療費の自己負担の軽減を図るなど、子育て家庭に対する経済的支援の充実を図るよう要望してまいりたいと考えております。
     地方単独医療費助成制度を現物給付で実施することによる国庫負担の減額措置についても、国保財政の運営や福祉医療施策の推進に影響があることから、国に対して、その廃止を求めてまいります。


    1 知事の政治姿勢について
     (3)30人学級の実現について
      子どもたちを30人以下の学級で学ばせたいという願いは、ここ数年、教育関係者の一致した強い要求である。中央教育審議会初等中等教育分科会が「学級規模の引き下げ」を求める提言に踏み切った背景には、丁寧に寄り添いながら教えなければ勉強が手につかない子どもや、競争的で人間的な温かみを欠く社会や学校の中で、自己肯定感情が持てず、自分の苦しみを内向させたり他者への攻撃として表わしたりする子どもたちなど、少人数学級を必要とする子どもたちの状況がある。こうした子どもたちを育てるのに、1学級40人など人数の多い学級では無理があるため、香川県も香川型教育に固執することなく、全県の小中学校で30人以下学級の実施を求めるが、知事にうかがう。


    (知事答弁)
     次に、30人学級の実現についてであります。
     新学習指導要領の円滑な実施や教員が子どもと向き合う時間の確保による質の高い教育を実現するため、本年8月に文部科学省が提案した新しい「教職員定数改善計画案」によると、来年度から、40人としている現行の学級編成の標準を見直す方向が示されております。
     現在、教育委員会においては、この国の動きと平行して、今後の指導体制のあり方について検討しているところであり、その検討結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。


    1 知事の政治姿勢について
     (4)中小企業に対する事業・制度の実施について 
      全国の自治体で、入札参加資格のない業者を対象に、小規模な工事を発注する「小規模工事希望業者登録制度」が広がっている。
      香川県でも、県営住宅や県立学校の修繕工事など緊急経済対策として、予算を増やし、本事業を実施してはどうか。また、市町にも積極的に働きかけ、零細業者への仕事おこしを行うべきと思うが、いかがか。
      また、秋田県では今年3月から、県内の業者に発注することを条件に、工事費の10%、最大20万円を補助する「住宅リフォーム助成制度」を開始したところ、大変好評で補正予算を上積みし、合計21億円余の予算を計上している。半年間で、補助金交付額は12億円余となり、補助金の16倍近くの工事が県内業者に発注されている。
      香川県でも、耐震改修補助と併せて「住宅リフォーム助成制度」を実施すべきと考えるが、いかがか。

     

    (知事答弁)
     次に、中小企業に対する事業・制度の実施についてであります。
     御指摘のような「小規模工事希望業者登録制度」を実施する場合は、入札参加資格の無い業者を対象に、随意契約を行うことになるものと理解しております。
     県においては、随意契約を極力減らし、競争入札を実施しているところであり、「小規模工事希望業者登録制度」は、工事の品質の確保や適切な施工の観点に加え、公正性、競争性の確保の面からも、問題点があるものと考えております。
     また、住宅リフォームの助成については、県では、福祉施策として、重度障害者のいる世帯などが行う住宅改造に対し、限度額を設けて、工事費の3分1を市町へ間接補助しているところであります。
     秋田県では、臨時的に生じた財源を活用し、今年度限りの事業として、助成制度を設けたと伺っておりますが、本県においては、現段階では、そのような財源を見出し難いことから、同様の制度を創設することは、難しいと考えております。


    2 経済・雇用対策について
      8月に厚労省が発表した労働経済白書は、非正規労働者が増加する中で平均賃金が低下し、格差が拡大した主な要因は大企業にあり、労働者派遣の規制緩和がそれを後押ししたと指摘し、賃金低下や格差拡大が内需停滞の一因と分析した。知事は、「大企業の非正規雇用拡大が、賃金低下と内需の停滞をつくった」という分析をどう受け止めているのか。また、本県もこの認識を基に対策を打つべきと考えるがどうか。同時に労働者派遣法の抜本改正は最優先課題とすべきであるが、知事は抜本改正は必要と認識しているのか。国に向けて早急に抜本改正を求めるべきと考えるがどうか。
      また、知事は就任早々トップセールスの一環として都内企業を訪問し、雇用の安定的確保や工場進出等を要請したそうだが、他県と競って誘致条件を拡大するような企業誘致では根本的景気対策にならない。誘致時に巨額の県費を投入しても、非正規雇用が増えたり、景気が悪くなれば派遣社員を切り捨てるなど、雇用確保のための「企業誘致条例」と言いながら、大切なところが抜けている。「企業誘致条例」に、雇用と地域経済を守る企業の社会的責任を明記すること、具体的には、工場閉鎖や解雇は事前に県に報告協議する規定、法令違反や解雇を強行した際は補助金返還を命じる規定を設けることが必要と考えるが、知事の考えを伺いたい。
    (知事答弁)
     次は、経済・雇用対策についてであります。
     非正規労働者の増大は、賃金低下と内需停滞の要因の一つであるとの労働経済白書の分析は、総務省統計局等のデータに基づくものと承知しておりますが、グローバル化による競争激化の中、企業が生き残りをかけて人件費を含むコスト削減を図った結果でもある、とも認識しております。
     本県においても、本年8月の正社員の求人倍率は、0.42倍と厳しい状況にあり、「元気の出る香川」を実現するためにも、地場産業や中小企業を協力に支援し、地域の企業の成長を通じて正社員雇用の確保・拡大を図ることが大切であると考えております。
     また、労働者派遣法については、労働者保護の観点での改正手続が進められており、国会での審議を見守ってまいりたいと考えております。
     なお、その抜本的な改正については、現在、改正案が審議されているところであることから、国に求めていく考えはありません。
     企業誘致については、地域の雇用創出を後押しするため、企業誘致条例に基づく助成金について、新規常用雇用者を一定人数以上雇用することなどを要件としており、交付後3年間は、従業員の雇用を含めた操業状況等の把握に努めているところであります。
     御提案の項目のうち、工場の閉鎖等は企業にとって極めて高度な経営判断によるもので、事前の協議を義務付けることは困難と考えており、また、助成金の交付後に不適切な事案が明らかになった場合に、その返還を命じることができることは、すでに条例に規定されております。
     このようなことから、ご提案の内容を現条例に盛り込むことは考えておりませんが、今後とも、私自身が先頭に立って、優良な企業の立地促進を図ることにより、地域における雇用の創出と地域経済の活性化に、鋭意努めてまいります。


    3 国民健康保険制度について
      国庫負担の引き上げを国に要請するとともに、県で一世帯あたり1万円の国保料の引き下げを行ってはどうか。
      高校生までの短期保険証の窓口交付について、市町の現状はどうか。また、病気の大人に対する短期保険証の発行の取組状況は如何か。
      国保の広域化について知事はどう考えるのか。国保の広域化により市町一般会計からの繰入ができなくなり国保料の引き上げになるのではないか。また、国保の広域化は、基礎的自治体から地域の住民自治を奪うものではないのか。

     

    (知事答弁)
     次は、国民健康保険制度についてであります。
     市町国保への公費助成の拡充については、国において。地方の意見を十分に踏まえた上で、財源負担を検討すべきものであり、県費による引き下げは適当でないと考えております。
     また、国への要請については、実施主体である市町の意向を踏まえて、対応してまいりたいと考えております。
     保険料滞納世帯の子どもに対する短期被保険者証の交付については、8市6町が郵送により行っております。
     保険料滞納世帯の短期被保険者証については、病気などの特別の事情の有無を把握した上で交付することなどとされており、各市町において、納付相談等の機会を通じて、滞納世帯の生活の実態などの十分な把握に努めた上で、必要な場合に交付しているものと伺っております。
     市町国保の広域化については、財政の安定化や保険料の平等化を図る観点から、国が全国レベルで一元化すべきものと考えております。
     現在、国においては、新たな高齢者医療制度の検討にあわせ、国保の広域化に向けた議論がなされておりますが、県としては、国保制度を将来にわたり持続可能なものとなるよう抜本的な見直しが必要と考えており、御指摘の国保料に係わる財源問題や市町村の果たすべき役割を含め、国において、地方の意見を十分に踏まえた上で、検討されるべきものと考えております。


    4 医師確保対策について
      県の医師確保施策は一定の前進が見られるが、深刻な医師不足の現状に追いついていない。臨床研修病院の指定基準引き上げにより研修医の受け入れができなくなる病院があり、国に対し地方から言うべきと思うがどうか。
      専任職員の複数配置を行うなど、研修医確保に取り組み成果をあげている病院もある。県の予算的援助も付け、各自治体病院に専任職員を配置し、全県の医師確保の取組みの中核を担ってもらってはどうか。
      将来、地域医療を担う医師として成長してもらうため、奨学生同士や先輩医師との交流、地域住民とのつながり作りなど他県にない魅力ある医師確保対策が求められているのではないか。


    (知事答弁)
     次は、医師確保対策についてであります。
     臨床研修病院の指定基準につきましては、平成23年度末まで、激変緩和措置が講じられているところですが、地域医療の担い手確保の観点から、平成24年度以降もこの経過措置が継続されるよう、国に対して要望しているところであります。
     研修医の確保につきましては、それぞれの病院が、研修プログラムや指導体制の充実など、自らの魅力を高めることが重要であります。
     県としては、臨床研修病院に対するアンケート調査で、最も要望の多かった、医学生とのマッチングを行う合同説明会を主催するほか、病院の研修内容や指導体制をメールマガジンで情報発信するなどの取り組みを進めているところでありますが、今後さらに、臨床研修病院の実態を踏まえ、医師確保に向けた取り組みを強化していきたいと考えております。
     また、将来、県の就学資金貸付者や自治医科大学の学生が、地域医療を担う人材として成長するためには、地域医療に対する理解を深めることが必要であることから、県下各地の病院や診療所での、1ヶ月に及ぶ実地研修を行ったり、さる8月にも、小豆島で実施した先輩医師との交流会等を通じて、若手医師の育成を積極的に支援しているところであります。
     今後とも、臨床研修病院における研修医のほか、地域医療の担い手となる若手医師の確保に取り組んでまいります。


    5 ハンセン病対策について
      知事は、ハンセン病患者に対する隔離政策や官民一体となった「むらい県運動」など国をあげて行われたハンセン病対策について、どのような認識を持っているか。
     「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」に則り、将来構想策定について、県がどのような役割を果たしていくつもりか。
     国は、2011年度概算要求で、1隻の官用船を民間委託する予算要求をしたが、今後たてられる大島青松園の将来構想の柱を実現させるためにも、大島と社会を結ぶ唯一の架け橋である官用船の国直営による運航が不可欠であり、国に対して意見をあげるべきと考えるがいかがか。


    (知事答弁)
     次は、ハンセン病対策についてであります。
     ハンセン病患者に対する長年にわたる国の隔離政策については、深く反省すべきものと考えており、県としてもハンセン病に対する偏見、差別を解消するために、正しい知識の普及啓発を図っているところであります。
     将来構想については、入所者自治会と国において検討されているところであり、県としては、入所者の福祉の増進等の観点から、高松市とも十分に連携し、諸施策の実施について協力してまいります。
     官用船については、大島と高松港、庵治港を結ぶ唯一の交通手段であり、夜間の急病人を島外の医療機関へ緊急搬送する際に不可欠なものでありますことから、今後とも国の責任において、その確保が図られるべきものと考えております。
     県としては、この問題について、今後、四国の他の3県や高松市とも十分に連携を図りながら、入所者自治会の意見を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。


    (再質問)
    1.知事の政治姿勢について
     (1)財政運営について
      福祉・暮らしの切り捨てに関する知事の考えについて、再度伺いたい。

    (知事答弁)
     白川議員の再質問にお答え申し上げます。
     私の政治姿勢で、財政運営、特に医療・福祉の件に関しましては、私の言葉で考える答弁と致しまして、厳しい財政状況の中、財政再建の取り組みを進める一方、医療・福祉の充実をはじめ、「安心できる香川」づくりに全力で取り組んで参りたいと考えているところでございます。
     3万トン級バースの県につきましては、担当部長から答弁いたします。


    (再質問)
    1.知事の政治姿勢について
     (1)財政運営について
      3万トン級バースが必要な隻数を再度伺いたい。

    (部長答弁)
     白川議員の再度のご質問にお答えします。
     お尋ねの隻数でございますけれども、入港するのにマイナス10メートルの岸壁ですけれども、入港するのに潮待ちや喫水調整を行ったと思われる1万トン以上の船舶が、昨年は、原木の運搬船で4隻、それと木製品の運搬船16隻、それと穀物の運搬船2隻の合計22隻でございます。