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  • 2月議会 白川一般質問答弁

    [2011.3.18] -[議会報告]

    3月14日、白川議員が一般質問に立ちました。
    以下、答弁の内容です。

    1 ダム建設事業について
     内海ダム再開発は、裁判闘争中にもかかわらず22億円の予算で建設を進め、椛川ダムなどの3ダムも必要性の検討中であるにもかかわらず3億円を超える予算が付いている。
     検討中のダムについては国も「新たな段階に入らず現段階を維持する必要最小限の予算案とする」としている。造るかどうかも分からないダムに3億円もの予算を来年度も付けるのか。検討とは名ばかりで建設ありきで進めているのではないかと言われかねない。
     検討委員会の委員もどんどん進んでいく工事を見ながらでは公平な審議はできないのではないか。少なくとも検討中は関連予算も含めて凍結をすべきではないか。
     また、大阪府の槇尾川(まきおがわ)ダムも、すでに本体工事に入ったダムであるが、中止する方針を決めた。内海ダムも駆け込み乗車的なやり方はやめて検討委員会の審議事項に追加し、再度見直しをしてはどうか。


    (知事答弁)
     白川議員のご質問にお答えいたします。
     まず、ダム建設事業についてであります。
     椛川ダムなど3ダム事業については、国土交通大臣からの検証の要請を受け、県では、昨年12月に「香川県ダム検証に係る検討委員会」を設置し、検討を進めており、その結果を踏まえ適切に対応してまいります。
     検証対象の3ダムについては、国から示された考えに基づき、新たな段階に入らないこととし、現段階での必要最小限の所要額として椛川ダムについては、付替道路工事などに事業費3億6百万円を、また、五名ダム再開発及び綾川ダム群連携については、調査費として、それぞれ2千百万円を、来年度当初予算に計上しているものであります。
     また、内海ダム再開発事業については、治水・利水上極めて重要な事業であり、地元住民や産業界などから早期完成の強い要望もありますことから、平成25年度中の完成に向け、計画どおり進めてまいります。


    2 企業誘致について
     全国で、企業誘致の補助金や減税を受けた大企業による工場閉鎖、撤退、派遣・非正規労働者の首切りなどの事態が相次いでいるが、知事はこうした全国の先例をどう認識しているかのか。
     大企業の誘致や一部企業への補助金交付ではなく、地域に根ざした中小企業、地場産業、農林漁業を総合的に支援してこそ、安定した雇用と仕事を作り出すことができると考える。知事が描く今後の企業誘致のあり方についてお答えいただきたい。

    (知事答弁)
     次は、企業誘致についてであります。
     我が国経済を取り巻く環境が大きく変化する中、他県で大規模工場が撤退した事例等も承知しており、こうした中、地域経済の活性化や雇用の拡大を図っていくためには、より将来を見据えた戦略的な取り組みが求められていると認識しております。
     このため、本県の企業誘致助成制度においては、従来から、既存企業が工場等を増設する場合と新規の立地とを同じ条件とするなど、地元企業の投資を積極的に支援しております。
     また、工業団地の残区画が少なくなる中、遊休地等を最大限活用することで、企業立地の促進を図っております。
     このほか、来年度から中小企業の設備投資に対する助成制度を創設するほか、「次世代ものづくり産業」の振興、県産品の振興など、地域経済の活性化に向けた施策を幅広く展開することとしております。
     今後とも、地元企業を大切にするとともに、本県の「強み」を生かしながら、成長分野にターゲットを絞った戦略的な取り組みにより、優良な企業の立地を促進し、地域経済の活性化と雇用の創出を図ってまいります。


    3 国民健康保険制度について
     国保の広域化により、市町一般会計からの6億円余の法定外繰入がなくなると、本県の国保一世帯当たりの保険料はいくら上がるのか。
     国保料の収納率低下により、滞納処分が強化されていることについて、どう考えるのか。
     国保に対する独自の支出を行わない都道府県が増えているが、県の独自支出を復活させ、一世帯当たり1万円の国保料の引き下げを行ってはどうか。


    (知事答弁)
     次は、国民健康保険制度についてであります。
     市町一般会計からの法定外繰入を廃止した場合の国保料につきましては、平成21年度で試算すると、一世帯当たり約4千円の引き上げとなります。
     国保料の滞納者に対する差押などの滞納処分につきましては、被保険者間の負担の公平を図り、国保財政の安定的運営を確保する観点から必要と考えております。
     市町国保への公費助成の拡充につきましては、国において、地域の意見を十分に踏まえた上で、財政負担を検討すべきものであり、県費による引下げは適当でないと考えております。

    4 特別養護老人ホームの整備について
     介護保険がスタートして10年が過ぎたが、特別養護老人ホームの待機者は42万人と4倍に増えている。香川でも希望者の増加に特別養護老人ホームの整備は追いついていない。特別養護老人ホームの増設を求める切実な声に応じて、今後の整備目標を替え早急な整備を求めるがどうか。


    (知事答弁)
     次は、特別養護老人ホームの整備についてであります。
     特別養護老人ホームの整備につきましては、平成21年度から23年度までの第4期高齢者保健福祉計画の整備目標に、24年度からの第5期計画の前倒し分を含め、297床の目標達成に向け積極的に整備を進めているところであります。
     来年度は、第5期計画を策定し、その中で新たな整備目標を設定する予定であり、現在、県と市町で協力しながら、入所申込者の実態調査をしているとことであります。
     今後、市町が、この結果を含め、要介護認定を受けた高齢者数や介護保険料などを参考に、県との協議、調整を行いながら、市町それぞれの介護保険事業計画の中で市町の整備料を決定し、県では、これをもとに、県全体の整備量を決めていくこととなります。
     私といたしましては、今後、県民のニーズを十分踏まえ、各市各町と協議、調整を行うとともに、県議会で御議論をいただきながら、特別養護老人ホームの拡充整備について検討してまいりたいと考えております。


    5 乳幼児医療費支給事業について
     全県窓口無料化に続き、さらなる前進をさせた乳幼児医療費助成制度は大変歓迎されているが、全国の中ではスタートラインに着いたところである。今回の前進に安住することなく、中学校卒業まで窓口無料化を進めていくべきと考える。この場合、県の負担はいくら増えるのか。来年度、就学前まで前進させた理由と今後の知事のお考えをお聞きしたい。


    (知事答弁)
     次は、乳幼児医療費支給事業についてであります。
     乳幼児医療費支給事業につきましては、施策の総点検を行う中で、県議会での御議論や現下の本県の財政状況を踏まえ、市町からの要望や他県の状況等を様々な角度から検証した結果、今回、子育てに伴う経済的負担の軽減を図る観点から、拡充したものであり、支給対象のより一層の拡充につきましては、今後の財政状況をみながら、課題として検討してまいりたいと考えております。
     また、支給対象を中学校卒業まで拡充した場合、試算では、約9億円の県費の追加負担が必要になると見込んでおります。


    6 待機児童の解消について
     民主党政権は「待機児童をなくす」などとして、保育制度を大改変する「子ども・子育て新システム」を導入しようとしているが、「子ども・子育て新システム」についての知事の認識を伺いたい。
     また、待機児童については、旧定義のカウントの仕方に戻すなど、正確な数を把握すべきではないか。


    (知事答弁)
     次は、待機児童の解消についてであります。
     子育て支援のあり方につきましては、待機児童をなくすよう保育制度をさらに拡充すべきとの意見がある一方で、低年齢児の育児に親が関われるよう働き方の見直しを進めるべきであるとの意見もあるなど様々な意見があり、幅広い議論が必要と考えております。
     お尋ねの「子ども・子育て新システム」は、昨年6月に策定された「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」を踏まえ、現在、国において制度設計が行われており、種々の意見が出され、方向性が定まっていないと認識しておりますが、いずれにいたしましても子どもの最善の利益を考慮した制度となることが、何より重要であると考えております。
     また、県としては、様々な保育ニーズに応えるため、保育の実施主体である市町と連携して、計画的な施設整備や年度途中の保育士の確保により保育所の受入能力の拡充に努めているところであります。
     当面は、限られた保育資源を有効に活用する観点から、現行の国の基準を踏まえ、優先度の高い児童の受入れを重点に待機児童の解消を図ってまいりたいと考えておりますが、ご指摘のような待機児童の把握につきましても、市町ともども研究してまいりたいと考えております。

    7 県立病院の特別療養環境室に係る特別の料金について
     白血病などを患った患者は、免疫力が低下し、感染症に罹患する恐れがあることから、個室を利用した場合でも、特別の料金の徴収はしてはならないと思うが、県立病院においてどのように対応しているのか、また、過去に徴収した代金は返還すべきだと思うが、今後の対応も含め、病院局にお聞きしたい。


    (病院事業管理者答弁)
     白川議員の県立病院の特別療養環境室に係る特別の料金についてのご質問にお答えいたします。
     中央病院では、白血病等の治療の際、医師が治療上必要と判断した場合には無菌室に入院させ、無菌室が満床の場合には個室で対応し、特別の料金は徴収しておりません。
     無菌室や個室以外の病室でも治療が可能と医師が判断した場合で、患者の希望により個室に入院するときには、制度を説明し同意書も提出いただいた上で、特別の料金を徴収しており、今後ともそのような取り扱いをしてまいります。
     なお、患者から、過去の特別の料金について相談があった場合には、個々のケースに応じて対応してまいりたいと考えております。


    8 子宮頸がん対策について
     子宮頸がんワクチン接種は喜ばれているが、同時にワクチンの供給が全国的に不足していて、厚生労働省は接種費用の助成対象年齢の上限である高1の女性は、3月までに接種を受けられずに高2になってから接種を始めても、当面助成対象にすることを決めた。
     県内における接種の状況ならびにワクチンの確保状況をお尋ねする。
     今回限りの制度にしてしまったのでは何の意味もないことから、24年度以降も続けられるよう、国に働きかけるとともに、県の制度として継続できるよう補助制度導入を検討してはどうか、知事にお尋ねする。


    (知事答弁)
     次は、子宮頸がん対策についてであります。
     子宮頸がん予防ワクチンの確保状況につきましては、現在、県内に約9,100回分が供給されており、2月末現在の接種者数については、現在集計中ですが、1回目を接種済みの方が現時点で約4,300人との報告を受けております。
    なお、現在、全国と同様、本県でもワクチンの供給不足が生じていることから、1回目を接種した方の2回目、3回目の接種を優先するようお願いしております。
    平成24年度以降の取り扱いにつきましては、国の制度として、将来にわたってワクチン接種が継続される必要があると考えていることから、24年度以降の制度化について、国に要望してまいります。


    9 不育症治療への助成について
     妊娠はするが、流産・死産を繰り返し。元気な赤ちゃんが得られない不育症は、適正な検査と治療により85%の患者が出産できるが、保険適用外の治療や検査などの自己負担が重くのしかかっている。また県内に専門医がいないため、岡山まで通っており、こうした負担を軽くするためにも、公的助成の実施が求められているが、いかがお考えか。また、不育症の認知度は極めて低いが、認知促進や県内で専門医の養成が必要と考えるがいかがか。


    (知事答弁)
     次は、不育症治療への助成についてであります。
     厚生労働省の研究班による実態調査では、妊娠した女性のうち約6パーセントが不育症であることが報告されております。
     本県では、不育症の方の相談窓口として、不妊相談センターで相談を受け付けており、平成21年度は、25件の相談を受け付けております。また、今年度から、県立中央病院の不妊・不育症外来において専門的な治療を行っているところであります。
     現在、厚生労働省の研究班で、不育症の治療方法等について検討されているところでありますので、お尋ねの公的助成については、今後の研究課題として、国の検討状況を注視してまいります。
     また、不妊相談センターにおいて、引き続き、相談を受けるとともに、県内の産婦人科医、小児科医で構成される周産期医療協議会等において、専門的な治療を行うことができる医師の養成の必要性や認知促進の効果的な方法について、検討してまいりたいと考えております。

    10 教育行政について
    (1) 少人数学級について
     4月から35人学級が始まる。国の施策は小学校1年生に限られているが、県の制度として2年生にも拡大することは大きな前進である。既に香川県では一部の中学校において、学習の基盤となる学級を安定させるため少人数学級制をおこなっているが、教育現場では「荒れていたクラスが徐々に落ち着いてきた」「子どもが生き生きしてきた」などの声も上がっている。こうした県内の少人数学級編成についてどのような評価をしているのか。また、現場の声はどのようなものがあるか。踏み出した少人数学級の方向を今後さらに30人以下学級へと前進させるべきである。教育長に伺いたい。


    (教育長答弁)
     白川議員の教育行政についての御質問にお答えいたします。
     まず、少人数学級についてであります。
     現在、小学校6年と中学校の一定規模以上の学年において、35人以下の学級編成を可能にしており、実施した学校からは、「子どもと接する時間が多く取れる」「生活の中でトラブルが減った」「学校生活全体に落ち着きが見られるようになった」など、生活面や学習面での効果が報告されております。
     その一方で、学習の習熟度に応じた少人数指導を実施する必要性や、教科担当制である中学校では、1学級増えることにより各教科の受け持ち授業時間数が増加したなどの課題も報告されております。
     来年度からの新しい香川型指導体制においては、小学校1年生での35人学級に加えて、2年生でも原則35人学級が実施できるようにするとともに、3年生以上と中学校においても、学級の安定を図ることを目的に、一部35人以下の学級編成を可能としたところであり、現在のところ、30人以下学級の実施は考えておりません。


    10 教育行政について
    (2) 教員の採用について
     公立小中学校の教員のうち「非正規」教員の数が2010年度で10万人を超え過去最多になっている。「非正規」教員は全体の15.6%を占めている。「非正規」教員急増の要因は、教育条件を充実する責任を国が地方に丸投げし、06年に成立した行政改革推進法で正規教員の採用を抑制したことにある。
     現在、香川県における「非正規」教員は何人か。教育現場で「非正規」教員が増え続けることについて教育長はどう考えているのか。官製ワーキングプアを広げるのではなく、正規教員の採用をしっかりと進める方向転換を求める。これらについて、教育長に伺いたい。


    (教育長答弁)
     次に、教員の採用についてであります。
     本県の公立小中学校の講師の数は、平成22年5月1日現在、常勤講師と非常勤講師を合わせて576人で、全体の10.7%を占めており、ここ数年、若干の増加傾向にあります。
     その理由としては、学習指導要領の改訂に伴う授業時数の増加への対応や、少人数指導の充実を図るため、退職教員等を活用して非常勤講師を配置してきたことや、新規採用者数を上回る退職者数があったこと等によるものであります。
     県教育委員会としては、基本的には正規教員を増やしていきたいとの考え方に立って、本年4月の教員採用にあたっては、退職者数を上回る採用を行ったところであり、今後とも、年齢構成の平準化を図りつつ、計画的な採用に努めてまいります。


    10 教育行政について
    (3)県立高校の施設整備について
     高松商業高校の改築が進んでいるが、校内の北東部分に部室棟として使っている建物がある。これは、平成19年度に県費により建てられたものだが、この2階に野球部の雨天練習場をつくる計画がある。1階部分の建物だけで1億円の県費が使われ、2階部分は野球部だけしか使わないということで県費は入れずに「高商の側」で用意するとのことだったようである。しかし、誰一人としてそのような約束をした「高商の側」の人はおらす、1億円も先行投資した建物の2階部分に着工することなく放置されている。その間に建築基準法も改正され、2階部分の建築にあたっては耐震基準をクリアできる設計を行う必要がある。このまま建設が進まなければ、2階を作ることを前提に建てられた1階部分の県費支出の不透明さも問われることになる。
     これまで、同窓会が寄付金などで建設する建物については、口約束だけで進めてきた。このこと自体が大きな問題ではないのか。高商のように、当時のことはわからない、誰と約束したのかわからないなどという言い訳は通らない。
     なぜこのようなことが起こったのか徹底究明すると同時に、今後の改善策が急務である。どう対応していくのか教育長に尋ねる。


    (教育長答弁)
     最後に、県立高校の施設整備についてであります。
     高松商業高校の部室棟については、学校側と協議しながら、改築基本計画を平成15年度に策定し、平成18年度に実施設計を行い、平成19年度に建築したものであります。
     高松商業高校の敷地は狭く、敷地の有効活用を検討する過程において、野球部のOB会等から雨天練習場を部室棟の上部に県費外工事により整備したい旨の要望があったことから、その上部を活用できる構造にしております。
     しかしながら、野球部OB会等において、資金的な対応が困難になったことから、同窓会などの関係団体をも含めた中で検討が進められておりますが、これまでのところ意見がまとまっておらす、現時点において雨天練習場の整備ができていない状況であります。
     現在、同窓会など関係団体に意見を求めているところであり、県教育委員会としては、それらの団体から正式に意見をいただいたうえで、適切に対応してまいりたいと考えております。