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    [2011.10.4] -[議会報告]

    10月3日に行われた、白川議員の一般質問の答弁です。

    1 知事の県政運営について
    (1) 災害に強い県土づくりについて
    県はハザードマップを作成する市町への助成にも乗り出しましたが、その中身は「決壊を想定して浸水区域や到達時間などを示し、安全な避難場所や経路を知らせる」というものにとどまっています。13年度までの3年間で、貯水量10万トン以上の大規模ため池199カ所すべてで作成することを目標にしていますが、その後の耐震改修の問題や、他のため池の対策などはまったく未知数です。農水省も農業用ため池の耐震補強工事の補助金を、来年度予算の概算要求に盛り込んで行くようですが、危険度が増しているため池から耐震改修にかかれるよう、県の積極的支援が必要と考えますがいかがですか。
     個人住宅の耐震改修は、制度が知られていないこともさることながら、施主の側に費用の負担感と、申請のわずらわしさが大きな重石になっていることは否めない事実です。窓口となる市や町によっては審査が大変複雑で、申請自体をあきらめる方もいらっしゃるのではないでしょうか。診断から設計、設計から改修へと、施主の決断がスムーズに運ぶよう、申請や相談の窓口の敷居を低くすることが必要と考えますがいかがですか。
    また、耐震改修と一体に、リフォーム助成を県の事業で実施をしていくことが求められていると思いますがいかがですか。


     (知事答弁)
     白川議員のご質問にお答えいたします。
     まず、私の県政運営のうち、災害に強い県土づくりについてであります。
     老朽ため池については、平成20年度に策定した「香川県老朽ため池整備促進5か年計画」に基づき、県営事業を中心として、県単独の補助事業も実施しながら、老朽度に応じて、計画的に改修しております。
     特に、整備の進んでいない、中・小規模のため池についても、ハザードマップの作成を促進するとともに、一定地域内の「ため池群」を一括りにし、ため池を調査・診断の上、統合や廃止も行いながら、効果的に整備を進めてまいります。
     また、小規模のため池のうち、受益地がなくなり、管理が行き届かず、危険なため池については、地域の意向を反映した、堤防の開削などの防災工事に支援を行ってまいります。
     さらに、これまで国に対して、ため池の耐震対策の充実を図るよう、強く働きかけてきたところであり、この度、農林水産省の概算要求にため池の耐震対策予算が反映されております。
     今後とも、大いにこれを活用するなど、県民の安全・安心の確保に向け、ため池の総合的な防災対策に積極的に取り組んでまいります。
     
     個人住宅の耐震化補助については、窓口の市町により、手続きや審査等の取扱に多少の差異はあり、また、個別の事案によっては、やむを得ず時間を要する場合もあるものと考えておりますが、県としては、補助制度を円滑に進めるため、市町への適切な助言に努めるなど、市町との十分な連携を図ってまいります。
     また、住宅のリフォーム助成については、限られた財源を有効に活用し、民間住宅耐震対策支援事業に取り組んでいるところであり、幅広くリフォーム全般を対象とする助成制度を設けることは難しいと考えておりますが、パンフレットや説明会など、耐震化補助制度の広報においては、耐震化の重要性だけでなく、リフォームに合わせた耐震改修が効率的であることを説明し、県民の主体的な取り組みが進むよう働きかけを行っているところであります。
     今後も、住宅所有者を個別に訪問し、制度の説明を行うほか、街頭キャンペーンなど、新たな取り組みも展開することとしており、こうした機会にリフォームに合わせた耐震改修についても積極的に説明することにより、一人でも多くの県民の皆様に耐震化補助制度を活用していただけるよう取り組んでまいります。


    (2) 自然エネルギーへの転換について
    未利用の電力や他地域に売電されている電力が四国圏内で使用できれば伊方原発がなくても、四国で電力は十分まかなえます。知事が心配されるような、県民の暮らしや仕事に大きな支障が生じることもないのではありませんか。 四国電力は冬の電力不足をアピールしているが、省エネと自然エネルギーの普及で、すみやかに「原発ゼロ」に進むことが可能です。香川県でもこうした方向で県民との合意形成を進めていくことが重要だと考えますが、知事はいかがお考えでしょうか、お答えください。
    また、高知県ではエネルギーの地産地消・地産外商を進めるとともに、地域づくり、産業振興と結びついて、総合的に取り組んでいる。こうした方向を香川も取り入れるべきではないでしょうか。エネルギーの地産地消は、地球温暖化対策はもちろん、地域分散型のエネルギー供給網として、防災面でも極めて大切です。知事の手腕で、これまでにない日本一の自然エネルギー先進県香川を目指しませんか。知事の決意をお尋ねいたします。


    (知事答弁)
     次に、自然エネルギーへの転換についてであります。
     エネルギー政策については、国全体で考えるべきであり、国民的議論を進めていく必要がありますが、私としては、安全・安心の確保の観点、電力の円滑かつ安定的な供給の観点、省資源・環境への配慮といった観点が、重要であると考えております。
    このため、引き続き、県民や事業者などに呼びかけて、省エネルギーへの取り組みを進めるとともに、中長期的には、再生可能エネルギーの普及を促進していくことが良いのではないかと考えております。
    しかし、現在、各電力会社とも、それぞれの地域への供給力の確保に苦心している中で、御指摘の電源開発の四国における発電能力を、四国に供給することを強制するのは困難であり、かつ、関西地域の電力不足にもつながると考えられることから、こうした状況を踏まえれば、十分な対策なしに、直ちに、伊方発電所を含め、すべての原子力発電所を廃止することは、県民の皆様の暮らしや仕事に支障を生じる恐れがあると考えられます。
    県では、日照時間が長いという本県の特性を踏まえ、太陽光発電の普及に向けて、住宅用太陽光発電の設置に対して補助を行うとともに、県有施設へ率先して導入するほか、温室効果ガスの削減効果や補助制度の経済的メリットなどについて、わかりやすく情報提供を行っているところであります。
    また、再生可能エネルギー分野における県内企業の進出を促すための支援を行うとともに、誘致に当たって、助成率を拡充するなど、関連産業の振興にも取り組んでおります。
    さらに、メガソーラーについては、すでに複数の事業者からの要請に応じて、県内の適地情報を収集し、情報提供するとともに、現地を案内するなど、立地実現に向けて積極的に対応しております。
    いずれにしても、私としては、再生可能エネルギーについて、地球温暖化対策はもとより、エネルギーの安定供給の確保や環境関連産業の育成の観点からも重要と考えているところであり、さらに、いわゆる再生可能エネルギーの地産地消についても、各地域に潜在する再生可能エネルギーを、その地域で効果的に活用する観点から、全国知事会からの要望として、国に対して、規制緩和や必要な法整備を行うなどの支援策を講じるよう求めているところであります。


    (3)社会保障と税の一体改革について
     民主党政権は「社会保障と税の一体改革」の成案を決定しましたが、その中身は子育て支援の市場開放や、医療・介護・年金、生活保護の給付削減など社会保障を抑制する一方で、消費税を増税し、大企業には減税するという、自公政権の「構造改革」路線と同じものです。
    経団連は税制「改正」に関する提言を発表し、東日本大震災の復興財源に消費税を充てることを求める一方で、法人税については減税の実施を改めて要求しました。
     こうした財界からの声を受け、民主党政権も自公勢力も、財源といえば消費税増税など、庶民に負担を求める主張ばかりです。しかし欧米では、財政危機打開の財源として、富裕層や大企業の経営者自身が「われわれに課税せよ」と声をあげています。
    オバマ米大統領は4470億ドル(約35兆円)にのぼる、雇用対策の財源を大企業・資産家への課税強化でまかなう考えを表明し、スペインでは3年前に廃止した富裕税の復活が検討されています。韓国でも、来年実施の法人税率引き下げ対象から、大企業を除外すると報じられています。明らかにこれが世界の流れです。
    このような時に地方政治の場で行政や議会が「消費税の増税が大前提」という立場に立たないことが大切ではないでしょうか。消費税増税に頼らない、命と暮らし最優先の県政実現のためにも、「社会保障と税の一体改革」の方向に反対の声を上げるべきと考えますがいかがですか。知事にお尋ねいたします。


    (知事答弁)
     次に、社会保障と税の一体改革についてであります。
     私は、わが国が直面している、急速な少子高齢化と人口減少の同時進行という状況において、公的年金や医療・介護保険、子育て支援、生活保護など、国民の生活を支える最も重要な社会基盤である社会保障制度は将来的にも持続可能で国民から信頼されるものになることが必要であることから、社会保障とその財源のあり方については、我が国経済社会を持続可能なものとする観点から議論されるべきものと考えております。
     他方、現下の厳しい経済状況を踏まえると、増税については、国の政策の見直しや、既存の歳入・歳出両面であらゆる見直しの可能性について十分検討がなされ、国民に必要性を十分理解していただいた上で行われるべきものであると考えております。


    2 新中央病院の整備について
     東日本大震災の教訓を踏まえて、地震・津波対策を検討する「中央防災会議 専門調査会」は、28日に最終報告を決め、「行政施設や避難所、病院は浸水リスクがないか少ない場所に設置し、津波被害の恐れがある地域は、条例で土地利用制限を検討する必要がある」と報告されました。 この報告を受け、それでも知事は、粛々と新中央病院の本体工事に着工されるおつもりですか。お答えください。
     8月に行われた文教厚生委員会の場で、「県民の反対を押し切って朝日町に中央病院を建設し、もし想定外の被害が起きてその機能が果たせない時は誰が責任を取るのか。」との私の質問に、知事は「責任は私が取る」とキッパリとお答えになりました。私はあえて知事にお聞きしたい。人の命に対してどう責任をとるというのですか。お答えください。
     知事は、現在地より液状化危険度が高いところに新病院を立地させることが、県民の命を預かる行政の対応として適切とお考えなのですか。お答えください。
     中央病院は、災害時の拠点病院であり、県内唯一の基幹災害医療センターでもあり、救急救命センターでもあり、まさに全県民の命の砦です。香川が大変な時には、中央病院はそれを支え抜くために、踏ん張りきらなければならない病院なのです。その役割を果たすために、より安全な場所へ移転先を見直すべきです。県民の不安の声にこたえて移転先を考え直すつもりはないのか知事にお尋ねいたします。
     「今後あらゆる機会を通じて県民に説明し、安全・安心と理解していただけるよう努める。」との知事の言葉が本当であるなら、県民と膝を交えて議論し、結論を出すことが必要です。
    中央防災会議の最終報告が指摘している中身を県でもしっかり議論すること。新中央病院をどこに建てるかは県民の合意の上で決めること。少なくともこの2つのことをやり抜くために、あと半年は本体着工をストップさせ、議論を尽くすべきと考えますがいかがですか。知事にお尋ねいたします。


    (知事答弁)
     次は、新中央病院の整備についてであります。
     新中央病院の防災対策については、新中央病院防災対策検討会議において、地震、津波、防災の専門家の御意見を伺いながら御議論いただき、「新中央病院の防災対策の見直し案」を取りまとめていただきました。
     私としては、検討会議で専門家から示された東日本大震災を踏まえた最新の知見に基づく津波シミュレーションなど想定される被害状況や必要な対策についての御意見・御提言を踏まえ、現在の中央病院が老朽化し、一部施設を除いて耐震改修がなされていないことなどから移転整備が急がれること、現在の整備場所で必要な追加対策を講じることにより、中央病院に求められる機能・役割を果たすことができると考えること、さらに、整備場所選定の際に検討した他の候補地の現状や、整備場所を変更した場合の費用や期間、沿岸部に立地予定の他県の災害拠点病院の防災対策の事例等を鑑み、朝日町において整備を進めることが望ましいと判断したところであります。
     この間、津波浸水リスクを含め、十分検討し、議論は尽くしたものと考えており、工事再開を先送りし、改めて検討する必要があるとは考えておりません。
     また、防災対策の見直しについては、最終的に私が判断したものであり、県民の皆様の安全・安心のために万全の対策を講じることとしたところでありますが、その結果責任については、県行政の長である知事の私が負うものであると考えております。
     今回取りまとめられた追加の防災対策の内容や必要性については、県民の皆様に対し、あらゆる機会をとらえ、様々な手段を使ってご理解いただけるよう取り組んでまいりたいと考えており、これまでも県広報誌、新聞、ラジオ、インターネット等を通じて、広報、説明しているところであります。
     また、液状化の問題については、東日本大震災の例を見ても、適切な地盤改良等を行なえば、問題は生じないと考えており、液状化対策として、病院敷地内の地盤改良範囲の拡大に加え、アクセス道路についても、新中央病院東側の臨海道路から、国道11号まで南下する最短ルートを最優先として、液状化対策を講じることにより、災害時の病院機能を維持・継続したいと考えております。
     私としては、追加の防災対策を実施して県民の皆様の安全・安心のために万全を期すことにより、整備場所は変更せず、朝日町において整備を進め、早急に県の基幹病院として、最新の高度医療を県民の皆様に提供してまいりたいと考えております。


    2 新中央病院の整備について(再質問)
     津波警報が出れば県民は近づくこともできない病院では、知事が万全を期すといっても対応できないのではないか。20億円も追加予算を組むのであれば他に土地を確保できるはずではないか。また、南海・東南海地震の際には高知県や徳島県に深刻な被害が予想されるだけに四国の中枢病院としての役割も大きい。これらのことを知事はどう認識しているのか。そのためにも、立地を考え直す気はないのか。

    (知事答弁)
     白川義胃の再質問にお答え申し上げます。
     津波警報の問題等につきましては、従来から、この本会議等でもお答えした通りであります。
     追加にかかる整備費用につきまして、これも、検討会議の取りまとめにございますように、これを現状から改めて移転した場合に、より多額の経費がかかるものと認識しております。
    いずれにいたしましても、この病院が県民の皆様のための基幹病院として最新の高度医療を提供できるものにしてまいりたい。そのように考え、万全の対策を講じたところであります。
     四国の中枢病院というご指摘につきましては、まずは、県民の皆様のための基幹病院としての整備を図ってまいりたいと考えております。


    3 雇用対策について
    (1)香川求職者総合支援センターについて
     貧困と格差が急速に拡大している。これは、これまでの「正社員」を中心とした雇用が「派遣」や「契約社員」といった非正規雇用に置き換えられ、賃金が大幅に引き下げられていることが大きな原因です。社会保障の充実とともに、非正規から正規への雇用の転換、最低賃金の大幅引き上げ抜きには貧困と格差拡大の解決策はありません。
    そのうえで、香川県でも、ときわ街の「しごとプラザ高松」内に設置した「香川求職者総合支援センター」は大変重要な役割を果たしています。しかし、国の交付金を活用した緊急雇用創出基金事業の一環として行われるため、来年3月で3年間の委託事業が終了になります。震災や円高などの経済状況のあおりも受け、今後雇用や労働の相談窓口の必要性はますます大きくなります。
    また、「求職者総合支援」であるなら、相談の結果が最終的に生活保護で落ち着くのではなく、自立に向かうものでなくてはなりません。しかし、高松市のワーカーなどは一人93世帯の担当を持ち、そこまでの援助をくまなく行うのは不可能です。そのためにも段階的、系統的に相談にのれる「求職者総合支援センター」は、その名の通り、求職者を総合的に支援することができます。来年度以降も継続し、更なる充実を求めますが、知事のご所見を伺います。


    (知事答弁)
     次は、雇用対策のうち、香川求職者総合支援センターについてであります。
     厳しい雇用状況が続く中で、求職者の生活の安定と再就職を支援するため、「しごとプラザ高松」内で、「香川求職者総合支援センター」を運営しております。
    センターでは、県の相談員が、国の職業相談員による職業紹介と合わせて、住まいや、生活支援の相談などにきめ細かく対応しているところです。
    平成21年5月の開所から本年8月までに、述べ5,416名の利用があり、雇用情勢が幾分持ち直した今年度においても、1日平均で8名程度の方々からの、生活保護や住宅支援などの相談に親身に応じ、ワンストップでのサービスを提供しております。
    本県の雇用失業情勢は、有効求人倍率が、本年8月で1.03倍となっておりますが、正社員については、0.63倍と依然として低い水準で推移しており、緊急雇用対策に係る基金事業終了後も、引き続き、雇用の確保・安定化に向け、重点的に取り組む必要があると考えております。
    このため、国の職業紹介と県の福祉施設等とを一体的に行う他県での事例を研究するとともに、「香川求職者総合支援センター」でのこれまでの成果と経験を生かし、求職者が求める様々な支援を、総合的に、分かりやすく提供し、生活の安定と就労につなげることができる取組みについて、検討してまいります。


    3 雇用対策について
     (2)ハローワークの地方への移管について
     香川県はハローワークの県への移管にむけた第一段階として、「しごとプラザ高松」の移管を求め、県がハローワークと情報を共有し、県の施策と職業紹介とを相互に連携して一体的に実施することを国に求めています。しかし、本当にそれでいいのでしょうか。
     全国545箇所に設置されているハローワークは、全国ネットワークで結ばれ、過疎地や離島など、利用者がどの地域に住んでいても、全国の求人に触れることができます。職業紹介は、違法を摘発されている企業の求人は紹介しない、男女の差別はしないなど、労働基準行政、雇用均等行政と一体であり、全国共通です。国の事業でこそ、憲法で保障された人間らしく働ける労働条件を確保し、紹介することができます。ハローワークが行う雇用保険の給付も、就職・離職した地域と、給付を受ける地域が異なる場合もあり、このため全国的なネットワークが必要とされます。これが都道府県任せになれば、全国ネットワークが寸断され、都道府県ごとに対応が異なり、監督・指導・職業紹介の連携が崩れることにもなるのではないでしょうか
    現在、深刻な雇用破壊、労働条件の悪化が進む中で、国の責任で労働行政を行うことがますます重要になっています。ハローワーク自体が正社員を増やし、体制を充実することが必要です。
    ハローワークの権限を地方自治体に委譲することは,憲法で定めた労働者の最低労働条件の保障と雇用の確保を国の責任において全国統一的に行う制度を変更することになりかねないことや、日本が批准しているILO国際労働機関における労働基準監督や職業安定事業を国の指揮監督のもとにおくという条約にも抵触します。近年、特に女性や若者に一段と厳しい雇用情勢のもとで,ハローワークの県への移管は、労働に関して多大な影響を及ぼすものであると考えますが、知事のご所見を伺います。


    (知事答弁)
     次に、ハローワークの地方への移管についてであります。
     ハローワークの地方移管については、全国の知事会において、国の出先機関原則廃止に向けた最重点分野と位置付けており、本県も、職業紹介と県の産業政策や福祉施策等とを連携し、より効果的な雇用対策を実施するため、早期に地方移管していただくべきとの考えから、国に対して、まずは、「しごとプラザ高松」の移管を受け、ここでの課題を検証したうえで、「ハローワーク高松」の全面的な移管を受けるという提案を行っているところです。
     全国知事会では、都道府県が移管を受けた後も、ハローワークが保有する「総合的雇用情報システム」の一体性は今後も維持することを想定しており、また、雇用保険についても、これまでどおり、全国単位で統一的に運用することで、全国ネットワークは維持されるものと考えております。
     また、移管後の都道府県での対応についても、全国で統一性を確保すべき事務については、国が、法令等で基準を定め、その基準に基づいて、県が執行するなど、今後、さらに国・県が議論を深め、全国均一のサービスを提供していくための制度設計がなされることが必要であると考えております。
     また、これらの全国ネットワークや統一したサービスを維持しながら、労働基準監督や、雇用均等行政等における指導、ハローワークでの職業紹介が情報を共有し、連携していくことは十分可能であると考えております。
     なお、国が全国統一基準を設計し、地方自治法に基づき、地方に助言・勧告、是正指示をすることによりILO条約の趣旨を満たすことは可能というのが、全国知事会の見解となっております。
     ハローワークの県移管後の運営については、先ほども申し上げた「香川求職者総合支援センター」でのこれまでの成果や経験を生かし、本県の雇用状況に機動的に対応しながら、市町とも連携し、生活保護、住宅、職業訓練、介護、育児支援など求職者が求める様々な相談にワンストップで、きめ細かく対応することにより、厳しい状況におかれている求職者、とりわけ、女性や若者へも、より満足度の高いサービスを提供していくことが可能であると考えております。

     

    4 香川県暴力団排除推進条例について
     今年度から「香川県暴力団排除推進条例」が施行されました。その目的は「暴力団の排除を推進し、もって県民の安全で平穏な生活を確保する」ことにあるはずです。しかし、この夏に行われた地域の夏祭りでは、この条例をもとに、商店街や自治会の方をはじめ、バザーで参加している一般市民の方に対して、「私は暴力団ではありません」という誓約書に署名捺印させたうえに、一人ひとり写真つきの身分証明書のコピーまで付けて出させるという異常極まりないことが行われました。
    条例の中にはそのような誓約書を出すなどということは一言もありません。県警本部長に問います。このようなことを警察が何の権限を持って行っているのか明らかにしてください。また、今後、このような運用はしないとはっきりとお答えください。


    (本部長答弁)
     白川議員の香川県暴力団排除推進条例についての御質問にお答えいたします。
    条例第24条に、祭礼等への暴力団の関与を排除するため、その行事の主催者に、暴力団員に露店等を出店させてはいけないこと、県は主催者に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うことが規定されています。
    県警察では、この規定に基づき、主催者に対して必要な助言及び支援を行っているものであり、条例に違反して暴力団員が紛れ込むことがないように、主催者の方々に誓約書や身分証明書等により確認をしていただいているところであります。
     条例施行後、これまでに、この確認方法により、暴力団員2名の出店を事前に防止し、また、資金的にも暴力団の影響を排除できており、祭礼などからの暴力団排除に相当の効果があるものと思っています。
    県警察では、社会が一体となった暴力団排除対策を推進していくことが重要であると考えており、今後も、主催者とよく協議し、祭礼等からの暴力団排除が実効的に行われるよう、適切に対応していきたいと考えています。


    4 香川県暴力団排除推進条例について(再質問)
     一般市民に、「私は暴力団ではありません」という誓約書を書かせることは人権を守るという観点からどうお考えなのかお伺いします。


    (本部長答弁)
     白川議員の再質問にお答えします。
     先程答弁しましたように、条例に違反して暴力団員が紛れ込むことがないように、主催者の方々にしっかりと確認をしていただくことにより、暴力団排除に相当の効果があるものと思っています。
     県警察では、社会が一体となった暴力団排除対策を推進していくことが重要であると考えており、今後も、主催者とよく協議し、祭礼等からの暴力団排除が実効的に行われるよう、適切に対応していきたいと考えています。