かし議員の賛成討論は、以下の通りです。
私は発議案第3号「東日本大震災で発生した災害廃棄物の受け入れに関する決議(案)」に対し、賛成の立場で討論を行います。
昨年3月11日、マグニチュード9.0という世界最大級の東日本大震災が発生し、東北地域をはじめ、東日本の広範囲にわたる地域が、地震と津波、そして原発事故による放射能汚染というわが国でかつてないほどの大きな被害を受けました。
これまで全国各地の多くの方々が、ボランティア活動に参加し、被災地の復興支援に取り組んでおり、本県においても職員の派遣を行うなど、復旧と復興に向けた支援を進めてきたところであります。
しかしながら、被災地の復旧と復興に大きな障害となっているのが、決議(案)に示されておりますように、膨大ながれきの処理であり、大震災から1年が経過した現在でも処理できたがれきは1割にも満たない状況です。
政府は、県内処理する福島県のがれきを除き、岩手・宮城両県のがれきの内、約400万トンを広域処理することとし、全国の自治体に対し、協力を求めていますが、受け入れが進んでいないのが実情です。
なぜ受け入れが進まないのか。その原因は、がれきを汚染している放射性物質にあることは明白です。放射能を帯びた廃棄物を最終的にどう処分・管理するのかについての見通しがないことが、国民の不安を高めています。
通常の災害であれば、大量に発生したがれきの処理のために全国の自治体の力を借りることは当然です。しかし今回の場合は、福島第1原発の爆発事故から、外に放出された放射性物質による汚染が懸念されるという特異な条件があります。本来、事故によって汚染された廃棄物の処理・処分は、汚染原因者の東京電力と原発を推進してきた政府の責任でなされるべきです。
現実の問題として、既存の処理施設の能力を大幅に上回るがれきの量が生じているのは事実であり、国は全国の自治体に割り振り、押し付けるだけのやり方を改め、現地での処理能力の増強も含め、国が直接、処理にかかり、焼却によって残った灰の中で、濃度が高まる放射性物質の最終的な処分、管理、汚染拡大の防止、処理の各段階での放射線レベルの測定とその結果の公表、安全の確保のためのルール作りにまで責任を持つ取り組みを行うべきであります。
日本共産党は、昨年8月に、政府が科学者、「原子力村」の専門家を除く専門家、技術者、民間企業などの知恵と力を総結集し、放射能汚染の実態を全面的、系統的に調査し、除染と安全確保を推進する強力な特別の体制を速やかにつくるよう提言をしてきました。
がれきの処理が、現地の復興の大きな妨げになっていることは切実な問題です。
しかし、広域処理を行うにあたっては、受け入れる側の自治体において、住民が納得できる合意の確立が不可欠です。
よって私は、政府に対し、汚染の拡大への懸念や不安にきちんと応え、住民の健康と安全を守る立場で基準と対策の見直しを抜本的に行うことを強く求めるとともに、放射能の影響を検証し、放射線量の測定等十分な体制を整えることを条件に、通常の廃棄物相当と判断されるものについて受け入れすべきと考えます。
またさらに、受け入れ自治体に対し、国が財政面も含めた全面的な支援を行うよう強く求めまして、発議案第3号「東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入れに関する決議(案)」の賛成討論といたします。