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  • 11月議会 一般質問

    [2014.12.18] -[新着情報議会報告]

    12月17日、かし議員が一般質問に立ちました。
    質問の内容は以下の通りです。

     

     

     先の総選挙で、日本共産党は、比例代表選挙で606万票(11.37%)を獲得し、20議席を獲得しました。さらに、沖縄1区での勝利をかちとり、あわせて改選8議席の2倍を上回る21議席となり、衆議院でも議案提案権をもつこととなりました。安倍政権の暴走に対して、多くの国民が「この道は危ない」と感じているもとで、日本共産党がこの暴走と正面から対決する姿勢を鮮明に打ち出したことは、評価をいただけたものと考えます。選挙結果を見て、「自民圧勝」と評価する向きもありますが、これは事実と異なります。自民党は公示前の議席を減らしています。政党の力関係をもっとも端的にしめす比例代表選挙での自民党の得票率は33%にとどまっています。自民党が議席で多数を得たのは、何よりも大政党有利に民意をゆがめる小選挙区制によるものでしたが、それをもってしても議席を増やせなかったのです。安倍自公政権が、国民からあらゆる問題で、白紙委任を与えられたと考えるならば、大きな間違いです。沖縄から突きつけられた民意、日本共産党躍進にしめされた民意を、真剣に受け止めるべきことを述べまして、一般質問を行います。

     

     まず初めに知事の政治姿勢について3点おたずねします。
     第1は、消費税10%への増税についてです。
     今年4月の消費税8%への増税は日本経済を深刻な危機に突き落としました。家計消費や住宅投資など内需の落ち込みによって、GDP(国内総生産)は2期連続でマイナスとなりました。安倍首相が、増税が個人消費の打撃になったことを認め、10%増税の1年半「先送り」実施を表明せざるを得なくなったことは、自らの経済失政を認めたものだと思いますが、知事はこのことをどのように受け止めておられるのかおたずねします。
     今の景気悪化は、円安による物価上昇に加え、消費税増税を強行した結果であり、「増税不況」にほかなりません。再増税を「先送り」しただけでは経済効果が期待できないのは明らかです。
     私は消費税10%の増税は「先送り」実施ではなく、きっぱり中止すべきと考えますが知事のご所見をお示しください。
     日本共産党は「消費税」にたよらない別の道」として、二つの改革を提案しています。一つは、富裕層や大企業への優遇税制を改め「能力に応じた負担」の原則をつらぬく税制改革をすすめることです。
     さらにもう1つは、約300兆円にまで積み上がった大企業の内部留保の一部を活用し、大幅賃上げと雇用を増やし、中小企業への単価引き上げを行うなど、国民の所得を増やす経済改革で税収を増やすことです。
     以上の2つの改革をすすめれば、合わせて約40兆円、消費税に頼らなくても社会保障の財源を確保し、財政危機を打開することができると私は考えますが、知事のご所見をお示しください。

     

     第2は、格差拡大の「アベノミクス」についてです。
     「アベノミクス」は国民の暮らしと日本経済に何をもたらしたのでしょうか。「アベノミクス」の2年間の株価上昇で資産が100億円以上増えた大株主が、わかっているだけで100人以上にのぼります。自動車大手8社は、円安効果だけで1兆8000億円の利益をあげています。一方で、庶民には円安による物価の上昇、働く人の実質賃金は16か月連続で減少しています。中小企業は引き続き7割が赤字経営に苦しみ「円安倒産」が急増しています。富める者にはもっと大きな富を、国民には生活の悪化だけ、結局「アベノミクス」がもたらしたものは、格差拡大と景気悪化だけだったと私は思いますが、知事はどのようにお考えでしょうか。
     日本経済の6割を占める家計消費が落ち込んでいることが日本経済の低迷、後退をもたらす最大の要因となっています。私ども日本共産党は、大企業応援から暮らし第一に経済の軸足を移し、日本経済たてなおしのために3つの提案を行いました。
     その1つは、人間らしく働ける雇用のルールの確立です。大企業の巨額の内部留保のほんの一部を使うだけで、大幅な賃上げと安定した雇用を増やすことができます。そのために政治がやるべきことは、賃下げと低賃金労働、不安定雇用を増やしてきた労働法制の規制緩和を根本から見直し、人間らしく働ける雇用のルールをつくることです。
     2つ目には、社会保障の連続削減をストップさせ、暮らしを支え、人間としての尊厳を守る社会保障の確立です。安倍政権は6月に決定した「骨太の方針」で社会保障の自然増を「聖域なく見直す」と宣言しました。このような社会保障の切りすては許されません。国民生活の基盤である社会保障の充実は、家計をあたため、地域に新たな仕事と雇用を生み出し、経済再生にも貢献します。
     3つ目には、TPP交渉からの撤退、農業・中小企業など地域経済の振興です。自民党政治によって地域経済は農林水産業や中小企業の経営危機、大企業の工場撤退など、雇用や人口の減少、大都市部との格差の拡大という深刻な危機に直面し、地域社会の疲弊が大問題になっています。日本の経済主権を脅かすTPP交渉からただちに撤退し、農業と中小企業の振興で地域経済を守ります。
     以上が、日本共産党のくらし第1で経済を立て直す3つの提案の概要ですが、この点について知事のご所見をお示しください。

     

     第3は、水道事業広域化についてです。
     去る10月に香川県広域水道事業体検討協議会が「広域水道事業及びその事業体に関する基本的事項のとりまとめ」(案)を発表し、今後のスケジュールとして、来年2月~3月の県市町の各議会に設立準備協議会設置協議議案を提案・議決し広域基本協定の締結を行うこととしています。
     しかし、仄聞(そくぶん)するところによりますと、4市町が反対で、十分な合意形成ができていないようですが、現状をお示しください。
     なぜ急いで進めなければならないのか。私は県主導で市町に押し付けるようなやり方は行うべきではないと思いますが、検討協議会の会長である知事のご所見をお示しください。
     また、「とりまとめ」(案)の内容についてですが、重大な問題として3点指摘しておかなければなりません。
     第1点は、水需給の見通しです。4年前に出された「新たな長期水需給見通し」では、将来人口が大幅に減少するのに、水道用水は不足すると推計されており、この点について平成22年の11月議会の私の質問に対しては、「日最大量ベースの需給バランスでは・・・・・供給量の不足が見込まれる」と答弁されています。ところが、今回の「とりまとめ」(案)では「年間給水量は、人口減少に伴い減少してきている」と記されており、今までの水需給見通しと矛盾した内容といえるが、これはどういうことでしょうか。過大な水需給見通しに基づいて、第2次拡張事業を推進し、莫大な予算を投入してきましたが、その責任はだれが取るのでしょうか。明確にお答えください。
     第2点は、浄水場再編・停止に伴う水源整理についてです。
     計画では、現在55の浄水場を26にする。29か所の浄水場を廃止するとしていますが、これは自己水源を放棄することになるのではないでしょうか。香川用水への依存度を高めることは大渇水に対応できなくなることを危惧するものですが、この点について明確な答弁を求めるものです。
     第3点は水道料金の問題です。
     現在の水道料金の格差は最大で2倍となっています。今後28年間で4582億円の巨額の予算が投下される中で、平成38年度を目途に水道料金を統一するとしていますが、これは大幅な料金値上げになるのではないでしょうか。県民に大きな負担を強いるやり方は行うべきではないと考えますがお答えください。

     

     次に介護保険制度についておたずねします。
     先の通常国会で「医療・介護総合法」が可決・成立しましたが、この法律は多くの高齢者を介護サービスの対象から除外し、入院患者の追い出しをさらに強化するなど、公的介護・医療保障を土台から掘り崩す大改悪法だといわなければなりません。
     「総合法」の具体化に向け厚労省が「ガイドライン案」を示していますがその内容は、要支援者の訪問介護・通所介護を保険給付から外し、市町村が実施している地域支援事業に移し、①ボランティアなどを使って安上がりのサービスに変える、②安上がりサービスを利用させ要介護認定を減らす、③サービス打ち切りなど介護保険から「卒業」させるよう求めています。
     自民・公明の政権与党は、これまで消費税増税分から1兆円を投入し介護保険の公的負担を現行50%から60%に引き上げると掲げていましたが、増税が決まるとこれを反故にしました。財務省は、介護報酬の6%削減、特養ホーム「相部屋」入所者からの部屋代徴収などを提示し、手当たり次第に負担増を強いる姿勢です。特養では要介護3以上の人しか入所させず、食事・居住費軽減の縮小・打ち切りが決まっています。
     今回の法改正が実施された場合、個々の利用者のサービスをどうするのか直接判断するのは市町ですが、市町が本人の同意抜きに介護認定をさせないとか、サービスを打ち切ることはできないはずです。この点について知事の明確な答弁を求めます。
     日本社会の病理化が進行し、虐待や貧困など「処遇困難」な高齢者が急増する今日、「介護難民」問題は一層深刻化し、高齢者と家族の負担は増すばかりです。このような中で、私は「総合法」の実施を中止させ撤回させるべきと考えますが、知事のご所見をお示しください。
     なお、今議会に「第6期香川県高齢者保健福祉計画(素案)」が示されましたが、向う3年間の数値目標の中に「介護難民」解消のための特別養護老人ホームの増床や虐待や孤立・貧困など「処遇困難」を救済する措置福祉としての養護老人ホームの増床の目標値が入っていません。私は今こそ特養・養護の増床が求められているときはないと考えますが、ご所見をお示しください。

     

     次に「香川県健やか子ども支援計画(素案)」についておたずねします。
     計画期間は平成27年度から平成31年度までの5年間とし、基本目標は「次代を担う子どもたちを安心して産み、健やかに育てることができるかがわづくり」、基本的視点として①子どもに視点を置く②保護者が子育てに責任を持ち、子育てする力を発揮できる支援、③社会全体で支援する取り組みを上げています。基本理念や基本目標・視点は大変すばらしく大いに評価できるものです。しかし、具体策については十分とはいえません。そこで以下4点について基本的なお考えをお示しください。
     第1点は「子育てに伴う経済的負担の軽減」についてのうち、乳幼児医療費支給事業と奨学金制度についてです。
     乳幼児医療費の無料化は全国でみると福島県は高卒まで、東京都と群馬、静岡、兵庫、鳥取の4県は中卒まで入院通院ともに無料、秋田、栃木、三重、徳島の4県と京都府が小卒まで入院・通院ともに無料となっており、本県のように就学前までというのは17県となっています。また県内の市町においては、県の就学前までに上乗せして小学校又は中学校卒業までとする市町がほとんどです。先の「明るい民主県政をきずく香川県連絡協議会」の交渉では「中学卒業まで無料化は9億円あればできる」との試算を健康福祉部もしておられるようですが、県下の市町の要望もふまえ、中学卒業まで無料とすべきではないでしょうか。
     また、経済的理由により修学することが困難な高校生や大学生等に対する奨学金制度ですが、現在の場合は返還が義務付けられています。返還の必要のない給付型の奨学金制度の創設や地元にUターンする学生に対して一部免除する奨学金の枠を増やすべきと考えますがいかがでしょうか。知事にお尋ねします。
     第2点は、学校給食費の無料化です。
     7月に厚生労働省が発表した子どもの貧困率は過去最悪の16.3%に達し、実に6人に1人の子どもが貧困家庭であり、大人1人で子どもを育てている家庭は半分以上が貧困家庭となっています。また、学校の給食費の未納が広がっているようですが、実態がどうなっているのでしょうか。これも合わせてお示しください。
     学校給食費の無料化は栃木県大田原市や群馬県南牧村などで実施されていますが、貧困対策だけでなく、少子化対策としての効果も発揮されています。また、東京都葛飾区では多子世帯への経済的負担軽減策として実施されています。本県としても「子育てに伴う経済的負担の軽減」として学校給食の無料化を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。教育長にお尋ねします。
     第3点は、私学振興助成の増額です。私は9月議会の総務委員会で質問しましたが、私学に通う生徒は、公立と比べ生活保護世帯や低所得者の子供の割合が高く、本県の場合、私立高校の就学支援金を2倍加算されている世帯の割合は2012年度でみると20.7%、全国平均15.0%を大きく上回り、ワースト11位となっています。私学振興助成を増額し、私立に通う子どもたちの学費を無償とし、公私間格差を是正すべきと考えますがいかがでしょうか。知事にお尋ねします。
     第4点は小学校4年生まで実施している35人学級を5年生以上中学3年生にまで実施することについてです。
    素案の中に「確かな学力と豊かな人間性と育てる学校教育の推進」がうたわれていますが、35人学級の推進が記されていません。少人数の方が子どもを丁寧にみられることは明らかであり、そのことは文科省も認めています。先の「民主県政をきずく会」との交渉で、5年生で35人学級を行うとすれば、教員を40人ふやせばできると答えています。予算が2億円程度あればできるはずです。5か年計画ですべての学年で実施すべきではないでしょうか。教育長にお尋ねします。

     

     次に、「地方創生」と地域経済の活性化についておたずねします。
     安倍政権は「新成長戦略」に「地方創生」を重要な柱に位置づけ、地方重視の押し出しで、「ローカル・アベノミクス」で「地域の活性化」を図るとしています。しかし、全国すべての地域・自治体での活性化は人口減少と国の財政状況からむりがあるので、「集約」で財源を集中投資し、周辺地域は「ネットワーク」で補うという発想です。安倍政権のいう「地方創生」は、人口減少への危機感をあおり、社会保障費と地方交付税の削減は仕方がない、足りない分は民間投資の活用と住民の自助・互助で賄えというものです。
     そもそも、地域の農業を衰退させ、中小企業を切りすて、市町村合併の押しつけで、地方の産業と雇用を喪失させ、地方の疲弊と東京一極集中をつくりだしたのは、自民党政治そのものではありませんか。その総括も反省もないままに、財界・大企業主導の成長戦略のために地方の構造改革を進めることは許されません。
     知事は、国が設置した「まち・ひと・しごと創生本部」にならい、本県に「人口減少・活力向上対策本部」を設置していますが、今後どういう取り組みを行うおつもりでしょうか。
     これから国が行う「まちづくり」では、地方中枢拠点都市圏への重点投資と、公共施設等総合管理計画による公共サービスの整理、統廃合です。統廃合した施設は、優先的にPPP・PFI事業を活用するとしています。平成の大合併では、自治体周辺部での大幅な人口減少をもたらしたことは周知の通りです。人口のダム機能論に基づく地方中枢拠点都市圏構想は、さらなる人口減少をもたらすことになるのではないでしょうか。
     社会保障の分野では、地域医療病床の再編縮小を進めるとしており、医療・介護の制度から利用者が追い出されることになりはしないのでしょうか。
     農業の分野では、優良農地を含む農地転用の特例措置など、規制緩和を拡大しようとしており、さらなる農業・農村の荒廃を進めることになるのではないでしょうか。
     さらに行政サービスを縮小し、住民の意思を置き去りにして民間参入とその利益を優先させるやり方は、住民福祉の重大な後退をもたらすことになりはしないのでしょうか。
     以上の点について、知事の具体的な答弁を求めます。
     今行うべきことは、住民自治を発揮してがんばっている自治体を応援することだと考えます。農林水産業など地域資源を活用した仕事と所得の確保、すべての小規模事業者への支援、条件不利地域への地方交付税の大幅拡充、椛川ダムなどムダなダム建設や四国への新幹線導入など大型開発の見直しと、地域密着、防災、維持管理優先の公共投資への転換こそが、必要です。そうすれば、人口減少をくい止め、地域経済の活性化を創出することになると思います。知事いかがでしょうか、お答え下さい。
     最後に、地域経済の活性化について、私は、大型開発と企業誘致という従来からのやり方では地域の再生はできないと考えます。
     大型開発は、戦後の高度成長期以降、新産業都市、テクノポリス、リゾート等全国で繰り返し行われてきましたが、それで地域が持続的に発展したところはありません。本県のサンポート高松も同じであります。失敗の原因ははっきりしています。大型公共事業を受注できるのは大手ゼネコンであり、それに建設資材を供給するのも大手の鉄鋼やセメントメーカーであれば、利益は東京の本社に集中し、借金だけが地方自治体と住民に残ることになるからです。
     また多額の補助金を投じて行う企業誘致は、工場や支店が立地しても、その地域で生み出される利益は「法人所得」として東京本社に流出します。東京都は、生産額シェアでみると、第2次産業で10%、第3次産業で20%を占めていますが、法人所得のシェアは、なんと45%にも達しています。これは国内外からの所得移転によるものです。全国各地で生み出された経済的富の多くが東京本社に移されてしまい、地元には還流しない構造となっているからです。
     では、どうすれば良いのでしょうか。私は、地域内再投資力を強化し、地域内経済循環を太くすることだと考えます。地域経済や地域社会を担っているのは、中小企業や農家、協同組合です。事業所の99%、雇用の75%を占めています。この地域経済・社会の主役である経済主体の地域内再投資力を高めることが最も重要なことです。そして、それを効果的に進めるために、農業、製造業、商業、金融業だけでなく、医療・福祉や環境・国土保全の仕事を連携させて行く地域内経済循環を太くして行くことが必要です。こうすれば、地域全体が再生して行くことになります。
     以上のように、「地方創生」と地域経済の活性化は、県が、財界や大企業応援の軸足を県民のくらし第1の経済政策に移すことが大切だと考えますが、知事のご所見をお伺いして私の質問を終ります。