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  • 11月議会一般質問と答弁

    [2016.12.19] -[新着情報議会報告]

     12月13日、かし議員が一般質問に立ちました。
     質問と答弁は以下の通りです。

     

     一般質問を行います。
     まず初めに知事の政治姿勢について3点お伺いします。

    1 知事の政治姿勢
     1)核兵器廃絶 
     第1は、核兵器の廃絶についてです。去る10月27日、国連の軍縮・国際安全保障問題を審議する第1委員会において核兵器禁止条約について交渉する国連の会議を来年3月と6月に招集するとした決議が123ヵ国の賛成で可決され、「核兵器のない世界」への扉を開く新たな1歩が始まりました。

     ところが、米国、ロシアをはじめ核兵器保有国とその同盟国など38ヵ国は反対。安倍政権は、決議案への反対を求めた米国の圧力に屈し反対しました。これは、世界で唯一の被爆国の政府として恥ずべき態度だと言わなければなりません。日本被団協をはじめ全国の被爆者団体から強い抗議の声が高まっています。

     いま、被爆者は平均年齢80歳を超え、自分たちの願いである核兵器廃絶を実現させるまで死ぬに死に切れないと、「核兵器廃絶を求めるヒバクシャ国際署名」を提起し、今までにない広範な団体が結集して、全国各地で署名推進連絡会が結成され、運動が広がっています。浜田知事も西原教育長も被爆者の県の会長さんと懇談し署名されましたが、8市9町の自治体首長、議長、教育長への署名も進んでいます。

     核兵器禁止条約は、かりに最初は、「核保有国」が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」されることになります。そうなれば、核保有国は、法的拘束は受けなくても、政治的・道義的拘束を受け、核兵器廃絶に向けて世界は新しい段階に入ることになるだろうと私は思いますが、知事のご所見をお示し下さい。

     

    (知事答弁)
     樫議員の御質問にお答えいたします。
     まず、私の政治姿勢のうち、核兵器のない世界の実現についてであります。

     私としては、各国の外交努力が積み重なり、核兵器のない世界を実現することは、人類共通の課題であると認識しております。

     我が国は、世界で唯一の被爆国という立場から、核兵器のない世界の実現に向けて訴えることが重要であると考えており、私も、核兵器廃絶の趣旨に賛同し、御指摘の国際署名に署名いたしました。

     国連総会第1委員会において可決された、核兵器禁止条約など核兵器の法的禁止措置について交渉する国連会議を、ニューヨークで来年開くとした決議につきましては、今月中に国連総会本会議で採択され、来年、核兵器を法的に禁止する枠組みについて、国連で初めて本格的な議論が行われる見通しとされておりますが、国際社会の最も重要な問題であり、国連加盟国の総意が得られるよう、加盟各国において、核兵器廃絶に向けての議論を尽くしていただきたいと考えております。

     

     

     2)安倍政権の数の暴力による議会制民主主義を壊すやり方
      第2は、安倍政権の、数の暴力による議会制民主主義を壊すやり方についてです。

     政府・与党は、国会の会期延長でTPP承認案と関連法案、「年金カット法案」を今国会で成立させるとし、TPP承認案と関連法案は、野党の反対を押し切り、強行成立させました。

     TPPは関税撤廃を原則としており、日本の農林水産業に壊滅的打撃を与え、農産物重要5項目を守るという国会決議に真っ向から反しています。「非関税障壁を除外する」として食の安全や医療・医薬品分野、保険・共済事業、雇用も脅かし、多国籍企業や投資家が投資先の政府を訴えることができるISDS(投資家対国家紛争解決)条項が盛り込まれており、まさにTPPは、国民のくらしや命よりも多国籍企業の利益のために日本の経済主権、食料主権を脅かすものです。

     トランプ次期米大統領がTPPからの「離脱」表明を行い、さらに米国第1主義で2国間協議を進めると明言しました。こういう状況のもとで、安倍首相は、TPP承認によって「日本はTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるという国家の意思を示す」と答弁していますが、これは極めて危険で有害な内容を意味します。なぜなら、TPPで譲歩した線を最低基準とし、日米2国間協議では、これをテコに米国から一層の譲歩を迫られることになるからであります。知事はこの点をどのようにお考えでしょうか。

     さらに「年金カット法案」で、物価・賃金スライドとマクロ経済スライドが見直され、際限なく年金が削減されることになります。現役世代も将来の年金水準は低下し、若い世代ほど削減されます。高齢者の生活を圧迫し、若者の将来不安を拡大するものです。

     その上、会期延長に乗じて、カジノ法案や「部落差別」永久化法案を党利党略で強行することは断じて容認できません。知事のご所見をお示しください。

     (知事答弁)
     次に、TPP及び今臨時国会における審議法案についてであります。

     TPPをはじめ、国の通商政策を進めるにあたっては、国民生活等に与える影響について明らかにし、十分な説明をした上で、国民の懸念や不安を払拭するよう、万全の対策を講じることが必要であり、引き続き、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。

     また、議員御指摘の国会で審議されている各種法律案については、政府等において、必要性を踏まえ、総合的に、内容等を判断された上で提案されたものと認識しております。

     

     

     3)働き方改革
      第3は、「働き方改革」についてです。日本経済の6割を占める個人消費は、2014年度、15年度と、戦後初めて2年連続マイナス。家計消費は、昨年9月以来、2月のうるう年効果を除けば、11ヵ月連続で前年比マイナスが続く「悪循環」に陥っています。そうした中、財界系の有力なシンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティングが「企業が儲かれば賃金は増えるのか?」という興味深いレポートを出しています。

     同レポートは、実質賃金が1996年をピークに減少傾向であり、2015年時点ではピーク時から13.6%も減少していることを明らかにし、「日本経済が低迷する中、企業は人件費を抑制することで、自らの利益水準を高めてきた」と指摘し、「企業が人件費を抑制する方法として用いてきたのが、非正規雇用の活用である」と分析。まとめでは「企業による人件費の抑制が行きすぎた結果、日本経済の低迷以上に雇用者全体の所得を低下させ、それにより消費が抑制され、さらに日本経済を低迷させるという悪循環を作り出す一因になってきた」と解明しています。

     さらにレポートでは「企業の利益水準は十分高く、そろそろ労働者に還元してもいいのではないか」と指摘し、非正規の正規への置き換えの推進を求めています。また、他産業に比べて賃金が低い医療・福祉分野では、国が定めている報酬や配置基準が低賃金を規定しており、その見直しを提案しています。知事のこのレポートの提案に対する認識をおたずねするとともに、県内企業の労働者の立場に立った働き方改革に県としても力を尽くすべきと思いますがご所見をお示し下さい。

     さて、電通で新人職員の過労死自殺が労災認定され、長時間労働の実態について家宅捜索が入りました。被害者の母親は「経営者のみなさんは大事な命を預かっていることを自覚してほしい」と2度と悲劇がおきないよう訴えました。ところが安倍政権が進める「働き方改革」は、「高度プロフェッショナル制度」の導入や裁量労働制の拡大など、さらなる長時間労働を押しつけるものとなっています。また8時間労働制を骨抜きにしている労基法第36条の「36協定」も大きな問題です。いま必要なことは、過労死を防止し、家庭と仕事が両立でき、少子化対策にも経済の好循環にも資する労働条件の改善、長時間労働の規制です。県庁や学校現場での長時間労働の防止について知事の決意をお示し下さい。

     

    (知事答弁)
     
    次に、働き方改革についてであります。

     お尋ねのレポートについては、同一労働同一賃金の実現や、非正規雇用の正社員への転換、長時間労働を前提とした働き方の見直しなど、現在進められている働き方改革の主要な論点に沿った提言がなされていると認識しております。

     私といたしましては、働き方改革を推進することは、勤労意欲のあるすべての人がその能力を発揮できる社会の構築につながるとともに、人口の県外流出を防ぎ、地元企業に優秀な人材が就職し、定着することにも資すると考えており、今後とも、その推進に積極的に取り組んでまいります。

     また、県庁や学校現場での長時間労働の防止については、職員が心身ともに健康で、仕事と生活の調和が図られ、その能力を十分に発揮できる環境づくりが重要であり、それが、ひいては、県民サービスの維持・向上につながるものと考えております。

     このため、本年3月に策定した香川県新行財政改革基本指針等に沿って、事業のスクラップ・アンド・ビルドや業務改善等を通じた事務処理の効率化など、総労働時間の縮減に取り組んでいるところであります。

     今後も、こうした取組みを積極的に推進し、職員の長時間労働の防止に努めてまいりたいと考えております。

     

     

    2 南海トラフ巨大地震対策
     1)南海トラフ巨大地震対策
     次に、南海トラフ巨大地震等の対策についておたずねします。
     東日本大震災に続き、熊本地震、鳥取県中部地震など大きな災害が相次いで発生し、国民の命と財産を守る政治の責任がいま問われています。

     11月4日、「津波防災の日」の前日に「シェイクアウト(県民いっせい地震防災行動訓練)」が行われ、事前登録した996団体、約23万6,600人の県民が参加しました。また、なかなか進まなかった民間住宅の耐震診断・耐震改修支援事業は今年度の補助金増額などの拡充により利用が、昨年に比べ相当成果があがっているやに聞いており、地道な努力が実りつつあると評価するものです。しかし、地震発生時に防災拠点となる県下の公共施設の耐震化率は平成27年3月末時点で88.0%、全国平均を0.3ポイント下回っており、まだ十分ではなく、改正された耐震改修促進法に基づき耐震診断が義務化された大規模建築物では、県管轄で10施設の耐震性が不足しています。さらに、地震・津波対策海岸堤防等整備計画に基づく海岸堤防や河川堤防の整備は、昨年度から着手されたばかりであり、南海トラフ地震は30年以内に70%程度の確率で発生するといわれており、いつ起こっても不思議でない状況にあり、早急な対応が求められていますが、今後の対策について知事の決意をお伺いします。

     

    (知事答弁)
     
    次は、南海トラフ地震等への対策のうち、耐震化等の対策についてであります。

     消防庁の調査による公共施設等の耐震化については、県の施設は、計画を前倒しして耐震化を進めているところであり、各市町の施設についても、早期の耐震化を働きかけてまいりたいと考えております。

     また、県が所管する大規模建築物のうち、耐震性が不足している10施設については、いずれも耐震改修工事を行うか、建替え、または、施設を閉鎖するなどの検討が行われております。

     さらに、海岸堤防や河川堤防の地震・津波対策については、昨年3月に策定した「地震・津波対策海岸堤防等整備計画」に基づき、地震直後に堤防等が沈下し、甚大な被害が想定されるなど、特に優先度が高い箇所から重点的・集中的に対策工事を実施しております。

     私といたしましては、今後も、国や各市町等と十分に連携しながら、南海トラフ地震などの大規模災害に備え、地域基盤の整備・充実に取り組んでまいりたいと考えております。

     

     

     (2)災害救助等について
     
    さて、東日本大震災から5年9ヵ月になりますが、被災地では、仮設にも災害復興住宅にも入れず、半壊等した住宅を修理する資金もなく壊れた住宅で生活し、支援の手からも漏れている「在宅被災者」の存在が大きな問題となっています。石巻市の民間団体の調査でも、東北3県の被災地で数千世帯存在するといわれています。

     また、昨年の台風による鬼怒川の堤防決壊の水害でも、避難所では、40日以上も、おにぎり、菓子パンの配給、住宅避難者への食事供与の打ち切り、避難所の劣悪な環境を放置したままでの整理・統合など、先進国ではありえない状況が繰り返されてきていますが、知事はどこに問題があるとお考えですか。

     被災者にとって最も重要なのが「災害救助法」です。同法は避難所設置と運営、食事、寝具、日用品の提供、家屋の応急修理、仮設住宅の提供など、被災者の避難生活全体をフォローアップするものですが、1947年に制定された古い法律で大規模災害を想定していないものです。現「災害救助法」は以下3つの大きな問題があります。1つは、自治体の被災者救助に対して国費が補助される制度であり、費用負担に慎重な自治体によって、極めて制限的な適用がされてきたこと。2つには、罹災証明によって支援内容が大きく違うことです。仮設住宅や災害復興住宅の入居条件は「全壊」または「大規模半壊」だけです。熊本地震では、住宅の解体・撤去を条件に「半壊」も対象となりましたがわずかな拡大でしかありません。3つには、「災害救助法」の機械的運用の問題です。内閣府の災害救助事務取扱要領には、平等、必要即応、現物支給など5原則があり、これに基づく運用で、食料や住宅確保は現物支給、避難所は必要性が減じれば直ちに閉鎖などの悪弊が適用されています。

     私は、東日本大震災などの教訓を踏まえ、自治体が積極的に災害救助に踏み出せるよう財政負担のあり方も含め、災害救助法の抜本改正を、県として国に対し強く求めるべきと考えますが、知事のご所見をお示し下さい。

     熊本地震では、罹災証明の発行に手間取ったことが大きな問題になりました。発行事務について熟知するとともに、損害の判定基準に基づき実際に判定できる職員の育成が重要ですが、罹災証明の発行体制の整備状況をお示し下さい。

     先日、鳥取県が地震による住宅の「一部損壊」について、最大30万円支給することが全国で初めて決定しました。被災者生活再建支援制度については、支援額と支援範囲を拡充することが重要と考えます。国が実施するまでの間、本県でも独自の拡充を検討すべきと思いますが、知事のご所見をおたずねします。

     

    (知事答弁)
     
    次に、災害救助等についてであります。

     大規模災害時における被災者支援においては、食料等の支援物資の備蓄や避難所への配送体制の確保をはじめ、避難所における要配慮者への支援体制の確保や被災者の健康管理など、様々な課題があると認識しております。

     御指摘の災害救助法に基づく救助に要する費用については、都道府県に支弁義務があり、その支弁額の区分に応じて、5割から9割の率で計算した額の合計額を国が負担することとされており、費用負担を理由に、救助が制限的に実施されることはないと考えております。

     また、応急仮設住宅は、災害救助法に基づく事務の取扱いを定めた、国の災害救助事務取扱要領により、住宅が全壊等の場合に提供することが原則とされていますが、特別の事情により提供の必要があるときは、事前に国と協議して提供できることとされています。

     御指摘の現物給付や必要即応の原則等については、災害時には、物資の欠乏を前提に、個々の被災者が必要とする程度に応じて救助が実施されなければならないとの趣旨であり、これまでも、各被災県においては、適切な救助の実施に努めてきたものと考えておりますが、災害救助法のあり方については、被災県の意見を聞いていく必要があると考えております。

     罹災証明書の交付は、災害対策基本法により市町村の義務とされ、専門的な知識と経験を有する職員の育成や、他の地方公共団体等との連携確保など、実施体制の確保に努めることとされており、県内市町においては、税務担当課等を中心とした実施体制が整備され、県は、毎年度2回、市町職員に対する研修を実施し、各市町の支援に努めているところです。

     また、被災者生活再建支援制度については、全国知事会を通じて、適用範囲の拡大等を国に要望しているところであり、県としては、引き続 き、制度の拡充を国に働きかけてまいります。

     私といたしましては、今後とも、災害発生時の被災者支援が適切に実施できるよう、各市町や関係機関・団体と連携した取組みを推進してまいりたいと考えております。

     

     

    3 農業・農協問題
     次に農業・農協問題について2点おたずねします。

      1)米の減反政策の廃止
     第1は、米の減反政策の廃止です。
     1970年代から始まった米の強制的な生産調整=減反政策が来年度をもって廃止され、国は、2018年産から生産数量目標の配分をやめ、代わって産地が需給調整を担うとされました。

     農水省の方針によると、農業再生協議会(再生協)に行政が参画して産地一体で作付け計画を作り、国が市町村段階の動向を、田植えが終わる前に中間公表し、再生協はそれを基に主食用米と飼料用米に切り替える。生産調整は産地の主体的な取り組みに委ねられ、政府の関与は縮小するとしています。

     米は産地全体の需給環境の影響を受けやすく、全ての産地で需要に応じた生産に取り組まなければならず、行政の関与は欠かせません。県や市町の行政、農協、生産者団体などが再生協の機能をどう発揮させるのかが重要と思いますが知事のご所見をお伺い致します。

     また、米作農家への恒久的な支援制度も重要です。現在の米直接支払い交付金10a当り7500円はなくなりますが、米価安定、稲作農家の経営維持は、米の安定供給に欠かせないだけに予算の拡充を含めた新たな支援制度が必要です。飼料用米支援の措置、収入減小影響緩和対策(ナラシ対策)なども欠かしてはなりません。

     私は、主食を国民に安定供給していくことは、国の責務であるということを忘れてはならないと思います。米価の安定なしに農業所得の増大も実現できません。知事は、農家の立場に立って国に対し強く要望すべきと思いますが、決意をお示し下さい。

     

     2)農協「改革」 
     第2は、農協「改革」についてです。

     11月29日、安倍政権は「農林水産業・地域の活力創造本部」の会合を開き、全農の事業見直しなどを求めた「規制改革推進会議」の最終「意見」を盛り込んだ「農林水産業・地域の活力創造プラン(改訂)」を決定しました。「世界で一番企業が活躍しやすい国」を掲げる安倍首相は、企業の農業参入を進めるため農業・農村に強い基盤を持つ農協の事業を弱体化させようとしています。

     農協の販売事業に対しては、農家から委託を受けて販売する委託販売から、農産物を買い取って販売する買い取り販売へ転換し、企業と同じく自らリスクを取るよう求め、購買事業では農業機械や肥料などの仕入れ先を全農に限らず拡大するよう求め、また、全農に対しては、これらに数値目標を含む年次計画を定めて取り組むことを求めました。

     牛乳・乳製品の生産・流通では、生産者が自由に出荷先を選べる制度とし、加工原料乳生産者補給金を指定生乳生産者団体に参加しない生産者にも広げるとしました。

     さらに、最終的には盛り込まれなかったのですが、信用事業を営む農協を半減させるという途中段階の意見は、組合員の願いや要求と逆行しています。農協組織は、資金不足に悩む農家、農村での助け合いからはじまっており、地域に暮らす准組合員も農協の信用・共済事業を頼りにしています。

     農協の信用・共済事業や販売・購買事業を目の敵にしているのが、アメリカと日本の金融資本であり、農業参入を図ろうとする多国籍企業です。

     政府・与党が「改革」を主導し、その進捗まで管理するなどということは、まさに農協「改革」の押し付けであり、農協解体への道です。生協、農業団体など国内15団体で構成する日本協同組合連絡協議会は「規制改革の名のもとに、協同組合の自主性・主体性が制限されることがあってはならない」と農協「改革」の行方に強い懸念を表明しています。

     農業は金もうけの手段ではありません。国民を飢えさせないことが農業の目的です。この根本的な役割を、気候変動、地方の人口減少と高齢化の進行の中で、どう農業を持続・発展させるのかが、今問われています。

     農協「改革」は生産現場や地域住民など関係者と意見交換しながら、組織内民主主義を通じて追及されるべきものであり、それが協同組合の本来の姿であると私は思います。農協「改革」のあり方について、知事の基本的なお考えをお示し下さい。

    (知事答弁)
     
    次は、米政策及び農協改革についてであります。

     平成30年産以降の米の生産調整については、行政による目標の配分に頼らずとも、生産者や農業団体が中心となって、需要に応じた生産に取り組むこととされております。

     このため、本県では、30年産からの対応を検討するため、県や各市町、生産者、農業団体等で構成し、これまでも米の生産調整について協議してきた農業再生協議会において、ワーキングチームを立ち上げ、生産者の御意見を聴きながら、実務的な協議を進めているところであります。

     今後は、農業再生協議会において、県や市町、農業団体の果たすべき役割を整理しながら、30年産以降の対応について検討してまいりたいと考えております。加えて、国に対しては、30年産以降においても米の需給調整が円滑に機能するよう、また、既存の施策を含め、必要な対策を講じるよう、強く働きかけてまいりたいと考えております。

     一方、今回、国において「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂し、「農業競争力強化プログラム」が決定されました。

     このプログラムは、一層の農業の競争力強化を実現するため、生産資材価格形成の仕組みの見直しなど、13項目について取り組むものであり、このうち、全農の自己改革としては、生産資材の買い方や農産物の売り方の見直しについて、数値目標を含む年次計画を策定・公表し、国がその進捗状況について、定期的なフォローアップを行うこととされております。

     県といたしましては、一連の農協改革が、地域農業の振興や、農業者の所得向上等につながるものとしていただきたいと、考えているところであります。

     

    4 子どもの貧困対策並びに教育問題 

     次に、子どもの貧困対策並びに教育問題についておたずねします。
     安倍政権の経済政策「アベノミクス」が始まって4年、格差と貧困は一層拡大し深刻な事態になっています。大企業は3年連続で「史上最高益」を更新、大株主など富裕層に巨額の富がもたらされました。1997年から2013年の間に、超富裕層1人当りの金融資産は6.3億円から13.5億円、2倍に増加。一方、労働者の平均賃金は1997年をピークに、年収で55万6千円も減少。非正規雇用の増大で低賃金労働者が増え、中間層がやせ細っています。

     日本は、先進国の中でも「貧困大国」といわれる程、貧困が広がり、1997年と2012年を比較してみると、日本の貧困率は14.6%から16.1%となりOECD34ヵ国の中でワースト6位となっています。子どもの貧困率は13.4%から16.3%となり、「貧困の連鎖」が深刻です。働きながら生活保護水準以下の収入しかないワーキングプア世帯は、就業者世帯の4.2%から9.7%と2倍にもなり、「貯蓄ゼロ世帯」は30.9%、1997年から2015年の間に3倍へと急増しました。

     これが現在の日本社会の姿です。貧困は、特別な事情ではなく、倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥ってもおかしくない「板子一枚下は地獄」という社会に私は陥っていると思いますが、今の社会の現状と子どもの貧困についての知事のご所見をお伺いします。

      1)子どもの医療費無料化
     さて、子どもの貧困対策の第1は、子どもの医療費無料化についてです。

     安倍政権は、子どもの医療費助成をしている自治体に対し、ペナルティーの見直し案を示しました。しかし内容は、未就学児までを対象とし、見直しにより生じた財源は「他の少子化対策の拡充に充てる」と条件付きとなっています。厚労省の見直し案は、国の責任で医療費無料化・助成を行うことには背を向け、ペナルティー措置の見直しだけにわい小化するものであり、小中学校、高校への拡充をしている自治体の努力に水を差すものと言わなければなりません。国に対し、子どもの医療費無料化は国の責任で行うことを、私は県として強く求めるべきと思います。また本県は、小学校就学前までが無料ですが、他県の実施状況を見ますと、入院については高校卒業までが2県、中学卒業までが14都府県、小学校卒業までが7道県、小学校3年生までが1県と計24都道府県が対象を拡げています。国がやらないのなら、県が率先して実施すべきではないでしょうか、知事のご所見をお示し下さい。

     2)就学援助の入学準備金の改善
     第2は、就学援助の新入学児童生徒学用品費等の改善についてです。

     入学のための準備金ですから入学式の前には支給されていなければならないのに、実際には入学後の7月になっているのは問題です。これはただちに改めるべきです。また文科省は、来年度の予算の概算要求で新入学児童生徒学用品費等をほぼ倍額に引き上げる方向のようでありますが、支給時期を入学前に早めることと併せ、支給額を倍額とするよう、県教育委員会として市町に働きかけるべきと思いますが、教育長のご所見をお示し下さい。

     3)返済不要の給付型奨学金制度
     第3は、返済不要の給付型奨学金制度についてです。

     学生の2人に1人が卒業時に奨学金返済のため、平均300万円もの借金を背負い、社会人として出発しなければならない事態です。卒業後、返済困難に陥ったり、返済のために結婚や出産をためらう若者もいます。安倍首相も、国民の声に押され「給付型奨学金を来年度予算編成で実現する」と述べました。現在、文科省で検討されていますが、報道では「給付規模7万5千人程度」といわれていますが事実であれば全学生の2%強の規模でほとんどの学生は対象外となります。本県では、大学生の奨学金を拡充させてきましたがまだまだ不十分です。「貧困の連鎖」を生まないよう抜本的な拡充を求めますが、知事のご所見をお示し下さい。

     4)全学年で35人以下学級実現
     最後に、教育問題として、どの子もすこやかに成長できるよう全学年で35人以下学級を実現させることについてです。

     現在、小学校で5年、6年、中学校で2年、3年が残っています。県教委の試算によりますと、1学年で約2億円程度、4学年すべてで実施すれば約8億円程度必要とのことでありますが、教育は未来への投資です。明日の香川発展のために、未来の担い手である子どもたちが立派に成長できるよう、35人以下学級の全学年での実施を強く求めるものでありますが、教育長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。

    (知事答弁)
     
    次は、子どもの貧困対策等のうち、経済的な支援についてであります。

     人口減少や少子高齢化が進み、労働力の減少や経済規模の縮小など、将来への不安がある中、正規雇用の拡大、働きやすい雇用環境の整備などを進め、勤労意欲のあるすべての人が、その能力を発揮できる社会を構築することが重要であると考えております。

     さらに、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、子どもの貧困対策を総合的に推進していく必要があると考えております。

     御提案の、子どもの医療費の無料化に係る補助制度の拡充につきましては、本県の子育て施策と医療施策全体の中で、県と各市町の財政負担の関係や施策の効果などについて、様々な観点から検討した結果、現行の制度を継続したうえで、各市町が地域ごとのニーズに応じて創意工夫をこらした事業を実施できるよう、平成26年度に本県独自の「かがわ健やか子ども基金事業」を創設して、各市町の取組みを支援しているところであります。

     また、子育て家庭の経済的支援の充実を図るため、医療費については、全国一律の制度とする必要があると考えており、機会を捉えて、国において制度化を検討するよう要望しているところであります。

     本県独自の無利子奨学金は、国が実施している日本学生支援機構の無利子奨学金が貸付基準を満たす者全員への貸付ができていない現状を踏まえ、経済的支援はもとより、本県独自の目的として、人口減少対策の観点から、若者の地元定着の促進等を加え、制度を推進、拡充してまいりました。

     さらに、今年度の進学者からは、日本学生支援機構の無利子奨学金の返還を支援する制度と二本立てで実施することとし、一層の充実を図ったところです。

     お尋ねの、給付型奨学金は、全国知事会を通じ、これまで要望してきたところであり、今後、全国的な制度として、実施に向けて、国において検討が進められると聞いており、その動向を注視してまいります。

     

    (教育長答弁)
     
    樫議員の子どもの貧困対策等の御質問のうち、経済的な支援及び教育問題についてお答えいたします。

     

     就学援助の新入学児童生徒学用品費等については、国の通知を踏まえ、児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給することができるよう十分配慮する旨を、市町教育委員会に通知しているところであります。

     

     県教育委員会といたしましては、支給時期や支給額について、来年度の国の予算措置や他県の動向などの情報を引き続き収集し、今後とも、市町教育委員会の就学援助制度の充実が図られるよう、適切に情報提供等を行ってまいります。

     

     35人以下の少人数学級の拡大については、先の9月定例会において、県議会から国への意見書が議決されており、県としても、独自の重点要望に引き続き、全国都道府県教育長協議会を通じて緊急要望を行うなど、国にその実現を強く働きかけているところであります。

     

     今後とも、国における学級編制の標準の見直しや教職員定数の改善等の動向を注視しながら、より効果的な指導体制となるよう努めてまいりたいと考えております。