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  • 6月議会 かし議員一般質問と答弁

    [2018.7.27] -[議会報告]

    7月10日、かし議員が一般質問に立ちました。
    質問の全文と答弁を掲載します。

     

     先の大阪北部地震、それに続いて記録的豪雨で未曽有の被害が発生しました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り致しますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

     それでは、一般質問を行います。

     まず初めに、知事の政治姿勢についておたずねします。
    1.知事の政治姿勢について

     浜田知事が知事に就任し、2期8年が過ぎようとしています。浜田県政の8年間が県民にとってどうだったのかこの際明らかにする必要があります。

     私は、安倍政治の香川への持ち込みをすすめた浜田県政の3つの大きな問題を指摘したいと思います。

     第1は、ウソとごまかし、憲法を壊す安倍政権いいなりの県政だということです。安倍政権は、森友・加計問題の疑惑解明にフタをしたまま社会保障の切り下げ、過労死促進法といわれる「働き方」改悪、地域と農業をいっそう破壊する「TPP11」の強行など国民との矛盾を深めています。さらに外交でも北朝鮮問題で米朝首脳会談が開かれ平和への歴史的な可能性が生まれている中、圧力一辺倒の対応をすすめ世界から孤立し、内政でも外交でも完全にゆきづまっています。

     浜田知事は、安倍政権がねらう9条改憲について「議論することが重要」と述べ、原発問題では、全国で浜岡原発に次いで危険だといわれる伊方原発の再稼働中止を求める世論に「国の責任で判断すべき」と、県民の命を守る役割を放棄する姿勢をとってきました。

     また、安倍政権は「企業が1番活動しやすい国にする」として、働く者の権利を奪い、さらに一連の民営化を打ち出していますが、それを率先して具体化しているのが浜田県政です。仙台空港に次いで全国2番目の高松空港の民営化、そして民営化に道を開く全国初の水道事業の全県一元化がなされました。利益優先ではなく、県民の命と安全こそが守られなければなりませんが、浜田県政は安倍政権のいいなりです。

     第2は、この8年間、県民生活において格差と貧困を拡大してきたことです。四国の財界と県が一体で「四国新幹線導入」の大キャンペーンをしています。利用者数を過大に見積り、約1.6兆円もつぎ込む「四国新幹線」計画は孫子の代にまで莫大な借金を負わせるだけでなく、通勤・通学に欠かせない在来線の切り捨てが避けられません。高松西インターチェンジと高松空港を結ぶ3kmの地域高規格道路は、わずか数分間の時間短縮のために157億円がつぎ込まれようとしています。このように大型公共事業優先で老朽化した県営住宅の修繕は後まわしにするなど、浜田県政は、財界・大企業奉仕の県政だと言わなければなりません。

     一方で、1人当たり県民所得は、1人当たり国民所得に比べ、2012年度は3万円下回っていましたが、2015年度には15万円も下回り、その差が開いています。とりわけ、雇用では、劣悪な条件の非正規労働者が2002年に11万人、全体の28.0%でしたが10年後の2012年には14万人、35.3%へと急増しました。現行の最低賃金、時給766円を、中小企業を支援して当面1,000円に引き上げることは待ったなしの課題です。

     農業では、国が本年度から10aあたり7,500円の直接支払い交付金を打ち切り、農業経営の厳しさは増すばかりです。私は、新潟県が始めた、営農条件が不利な中山間地域における集落営農組織などへの10aあたり1万5,000円の「公的サポートモデル事業」の提案をしましたが浜田知事は背を向けたままです。

     また、中小業者が要望している「住宅リフォーム助成制度」の創設にも背を向けています。この間、県内の中小企業の事業所数は2009年から2014年のわずか5年間に3万6,329から3万2,743へ、3,586もの事業所が減少しました。本県では事業所数の99.8%が中小企業であり、そこに働く労働者は83%を占めています。

     以上のように、浜田県政の8年間は、「大企業が潤えばやがて国民にも回ってくる」というアベノミクスへの追随であり、貧困と格差を広げただけの結果となりました。

     第3は、浜田県政は県民の願いを聞かない冷たい県政です。今、県民が一番望んでいるのは福祉、医療の充実です。病院のベッド数は、2001年から2016年までの15年間に2割も減少しました。国保の都道府県化でさらなる保険料の値上げが広がる中、県として市町に補助すべきとの要求にも背を向けたままです。介護保険では、本年度県平均で9.4%も値上げされ、東かがわ市では25.1%、三木町、小豆島町でも2割を超える値上げとなり、国や県への助成を求める声が広がっています。

     子育て支援でも、各市町において、入院・通院とも直島町が満18歳に達する年度末まで、高松市以外の市町が中学卒業まで子どもの医療費を無料化しており、市町任せでなく県の制度にすれば、市町ではさらに高校卒業まで無料化への道が開かれます。

     このように県民の声を聞かない冷たい浜田県政の転換を求める声が高まっています。

     以上のように、浜田県政は、安倍政権のいいなりの県政、格差と貧困を拡大してきた県政、県民の声を聞かない冷たい県政であり、大きな問題があると私は考えますが、知事のご所見をお示し下さい。

     

    (知事答弁)

     樫議員の御質問にお答えいたします。まず、私の政治姿勢についてであります。

     私は、人口減少の克服と地域活力の向上に向け、本県の実情を踏まえた施策を推進する 必要があると考えており、将来にわたって安全な水を安定的に供給していくため、全国初の県域を対象とした水道広域化を進め、本年4月には「香川県広域水道企業団」による事業を開始したほか、インバウンド対策に積極的に取り組んできた結果、昨年の外国人延べ宿泊者数は約45万人となり、5年前からの伸び率は全国1位となったところであり、今後、高松空港株式会社と連携し、さらに地域の活性化が図られるよう取り組んでまいります。

     また、私は、雇用を安定させ、労働者の賃金の増加につなげていくには、本県経済を活性化させ、県内企業が持続的に成長していくことが重要であると考えており、平成25年 に国に先駆けて策定した「香川県産業成長戦略」に沿った戦略的な産業振興を進めるとともに、昨年4月に「ワークサポートかがわ」を開設し、県内企業の正規職員に特化した求人の支援を推進しているほか、中枢拠点機能の強化を図るための空港連絡道路の整備、さらには交流人口の拡大による経済活性化に加え、在来線の維持確保等を図るうえでも重要である四国への新幹線導入などにも力を注いでいるところであります。

     さらに、すべての県民の皆様が安心して暮らしていけるよう、本県独自の奨学金制度を創設したほか、市町や関係機関等と緊密に連携を図りながら、医療・介護の充実や「かがわ健やか子ども基金事業」をはじめとした子育て支援施策の充実にも取り組んできたところであります。

     こうした施策の推進にあたっては、県政世論調査や県政モニターへのアンケート調査の定期的な実施のほか、各界各層との県政に関する意見交換会などにより、県民の皆様の声を伺い、施策の充実・改善を図っているところであります。

     いずれにいたしましても、私は、引き続き、県議会はもとより、県内各市町との密接な連 携のもと、「成長する香川」、「信頼・安心の香川」、「笑顔で暮らせる香川」の実現のために 全力で取り組んで、県民の皆様の満足度を高めて幸せをもたらすよう、目指してまいりた いと考えております。

     

    2.新県立体育館の整備について

     次に新県立体育館の整備についておたずねします。

     県立体育館整備等に関わる特別委員会の委員長報告にもありますように、公募型のプロポーザル方式で基本・実施設計業者が選定されましたが、その業者選定の公開プレゼンテーションでは、どの提案も外観やデザインの説明に重きを置いており、使い勝手の視点があまり入っていないものでした。そうしたことから「外観は必要であるが旧県立体育館がそうであったように、後年の維持管理費や改修費などが大きな負担となってはならない」「外観のデザインだけではなく機能性を重視すべき」などの意見が出され、6月4日に臨時議会を開き、特別委員会の設置が決まった訳であります。

     本来、特別委員会の設置は、年度始めの5月臨時議会で設置すべきものであるにもかかわらず、6月に入って臨時議会まで開いて特別委員会を設置しなければならないというのは異常な事態だと思いますが、知事はどのように考えておられるのかお答えください。

     私は、200億円もの予算を使って新たな体育館を整備するのに議会に十分な説明もせず、既定の方針通りに知事や教育長が進めようとするのはおかしいと思い、特別委員会の設置に賛成しましたが、なんと全会一致で決まりました。これは、浜田知事のやり方が拙速すぎており、人の意見を聞かない独善主義ではないかと思いますが、反省することはありませんか、おたずねします。

     私は、特別委員会に出席し、参考人招致した3人の有識者からの意見や当局からの説明を聞いてきましたが、疑問に感じた点について以下4点教育長におたずねします。

     第1点は、規模は最大1万人収容できる中四国で最大級の施設設置計画となっていますが、需要予測はコンサート25公演延べ利用日数100日、MICE延べ利用日数63日、スポーツ大会はメインアリーナ37日、サブアリーナ74日、武道施設31日の計142日となっています。本当にこれだけの利用が見込めるのでしょうか。私は、需要予測は見直すべきと考えますが、お答えください。

     第2点は収支シミュレーションです。収入が年間2億8,100万円で支出が推計の最大値で年間4億円、最初の計画から年間1億1,900万円の赤字計画となっています。スポーツ大会は収入が見込めないのはわかりますが、毎年赤字を出すのがわかっているのであれば、施設規模を見直し、予算規模も抑えるべきではないでしょうか。

     第3点は、運営についてです。最初から民営化が前提となっています。新香川県立体育館整備基本計画の中に管理運営手法としてコンセッション(公共施設等運営権制度)と指定管理者制度の比較が記されていますが、県が直営で行う場合の比較も出して、総合的に検討すべきと思います。企業のもうけを前提とした民営化には反対です。基本的なお考えをお示しください。

     第4点は設計業者に決まった「サナア」の「海と山と空に呼応する公園のような体育館」についてです。総務委員会や文教厚生委員会で各委員から質問が相次ぎましたが、委員のみなさんが一様に指摘したのが、デザイン重視で機能性や利便性に乏しいのではないかということです。私は、特別委員会の提言書をふまえ、デザインではなく、機能性、利便性を重視した、県民に愛される施設を望むものでありますがお考えをお示し下さい。

     

     

    (知事答弁)

     次は、新県立体育館の整備についてであります。

     新県立体育館については、平成26年に旧県立体育館が閉館する中、県教育委員会にお いて整備に向けた調査検討を開始し、各議会ごとに県議会等の御議論をいただきながら検 討を進め、平成28年12月に、「新県立体育館整備の基本的な方針」が取りまとめられ、 昨年11月には、「新香川県立体育館整備基本計画」(案)を県議会全員協議会で御説明し11月議会での御議論を経て、基本計画が取りまとめられたところであります。

     また、本年2月には、この基本計画の内容に沿って、公募型プロポーザル方式により、技術提案等を求め、先月20日に有限会社SANAA(サナア)事務所を最優秀者に特定し、現在、契約締結に向けた協議を行っており、提案書に記載された内容に関して、プロポーザル評「価委員会から「再考」との指摘のあった地下駐車場や、県立体育館整備等に関わる特別委員会の提言書等で「必ずしも明確になっていない」と御指摘を受けた点を伝え、適切な内容となるよう確認を進めているところです。

     県立体育館整備等に関わる特別委員会の設置につきましては、県立体育館の整備の重要 性に鑑み、県議会において、県立体育館の整備等に関わる必要な事項の調査検討を行うためになされたものと受けとめております。

     いずれにいたしましても、今後とも、県議会をはじめ、関係者や専門家の御意見もいただきながら、県民の皆様の待ち望む新県立体育館が、利用者にとって利用しやすい、魅力ある施設となるよう取り組んでまいります。

     

    (教育長答弁)

     樫議員の御質問にお答えいたします。 まず、新県立体育館の整備についてであります。

     需要予測と収支シミュレーションについては、新県立体育館の基本計画の策定に当たり、 交流推進施設としての利用用途やその利用頻度等をあらかじめ調査・推計し、メインアリ ーナ等の各施設の規模や機能を決定するため、昨年度、コンサルタント会社に委託して市場 調査を実施したところであります。

     この中で、需要予測については、他のスポーツ施設やMICE施設の状況、市場動向を考慮するとともに、コンサート興行主やMICE運営会社、スポーツ団体等に対し、利用が見込まれるイベントの種類や開催日数等について、ヒアリング等を行った結果をもとに、適正に推計されたものと考えております。

     また、収支については、支出が収入を上回る結果となっておりますが、公共サービスを目的とする公立体育館として、一定の負担は生じるものと考えております。

     次に、新県立体育館の管理運営については、できる限り民間のノウハウを活用していきた いと考えておりますが、今年度行う管理運営方法調査において、県が自ら運営する場合の ほか、官民連携の手法を総合的に比較検討し、利用者にとって低廉で良質なサービスが提供 できるよう、検討してまいります。なお、ランニングコストの圧縮は重要な課題であると考えており、この調査の中で、需要予測や収支についても、さらに精査してまいります。

     今後実施する施設の設計に当たっては、新県立体育館整備基本計画をベースに、県立体 育館整備等に関わる特別委員会の提言書も踏まえ、機能的で利用しやすい、魅力ある施設 となるよう、取り組んでまいります。

     

    3.児童虐待の防止について

     

     次に、児童虐待の防止についておたずねします。

    まず初めに痛ましい船戸結愛ちゃん虐待死事件に対し、心から哀悼の意を表します。この問題については各会派が質問していますので、私は、児童相談所と警察との情報の全件共有についてはやるべきでないとの立場から質問します。

     NPO法人シンクキッズから、知事に対して「児童相談所と市町村、警察の情報共有と連携しての活動を求める緊急要望書」、県議会議長に対して「児童虐待・虐待死根絶に関する陳情書」が提出されました。その内容は、「虐待死等重篤な事案は児童相談所が…警察と情報共有せず案件を抱え込んだ事案で発生」しているとして、高知県や茨城県、愛知県のように、児童相談所は、把握するすべての虐待案件について情報を共有すべきとしています。

     しかし、私は、第3者委員会の検証が始まったばかりであり、そのような中で、児相と警察との虐待情報の全件共有へと議論を進めることには賛成できません。全件共有の議論の根底には、品川の児相が訪問に行ったが、子どもに会わせることを拒否された。その時に警察に連絡をしていれば、助かったはずだ。警察に連絡をして、強制介入すべきだったという考えがあると思います。今回のケースは、どの時点で子どもが「確実に保護可能な状態」になったか分からない。2月の訪問の時点で確実に衰弱しているとか、アザがあるとかの根拠がなければ、警察も動きにくい状況は同じです。

     現在でも、緊急度が高いケースの場合は、児相と警察との情報共有はなされている訳で、基本は福祉的関わり、しかし緊急度が高く時間との闘いの場合は警察の介入という体制がとられています。問題は、その緊急度の評価の精度を上げることであり、そのためには、児相の人員を増やすことが重要だと考えますがお答えください。

     人命にかかわる場合には、警察の介入は必要です。しかし、警察が全件共有しても、対応は変わりません。なぜなら、警察に全件が持ち込まれても全件になど対応できるはずがなく、結局は児相が介入の順位づけをしなければならないからです。

     そして、私が心配なのは、すべての事案が警察に情報提供されることになると、相談や通報をためらうようになりはしないかという点です。そうなれば、かえって虐待を水面下にもぐり込ませてしまうことになりかねません。相談したい親のハードルは、常に低くしておかなければならないと考えますが知事のご所見をお示しください。

     私は、児童虐待防止は、事後対策型ではなく予防型に変えるべきだと考えます。児相の体制及び人員を強化し、スキルアップに努めることができる十分な機会を用意すること、そして、地域の構成員である私たちが虐待を正しく理解すること、不用意に親を追い詰めていかないことが重要だと考えますが、知事のご所見をお示しください。

     

     

     

     (知事答弁)
     次は、児童虐待の防止についてであります。

     

     警察との情報の全件共有については、全件共有することにより保護者等が相談や通報を ためらうことにならないよう、全件共有を始めている他県の取組みや評価について情報収 集を行い、児童相談所と警察の、より緊密かつ的確な情報共有について、検討を進めてまいりたいと考えております。

     

     また、児童相談所では、介入と支援との、両方の役割を担っており、個々の事案に対し、適切な対応を行うためには、高度な支援技術と豊富な専門知識を有する職員の育成が必要 であります。

     

     このため、児童相談所で虐待の対応にあたる職員を過去10年間で計20名増員するな どの体制強化を図ってきたところですが、今後、一層の体制強化について検討するととも に、専門研修への職員の派遣や、研修の充実などにより、虐待対応力の強化を図ってまいります。

     

     議員御指摘のように、虐待の未然防止は特に重要であると考えており、各市町が実施す る妊婦健診や乳幼児健診等において、支援が必要な妊産婦や子育て家庭がある場合は、児 童相談所において情報共有のうえ、連携しながら相談に対応し、未然防止や早期発見に努めております。

     

     さらに、児童虐待防止講演会の開催や広報誌による啓発等、様々な機会を捉え、児童虐待に関する理解と関心を高めるとともに、市町や保育所、学校、警察等関係機関との通報、連絡体制を強化し、地域全体で子どもを守る体制の充実を図ってまいります。

     

     私といたしましては、こうした取組みを徹底し、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応に万全を期してまいります。

     

     

     

    4.地震対策について

     次に地震対策についておたずねします。

     政府の地震調査委員会は、今年2月、南海トラフを震源とするM8~9クラスの地震が起きる確率が「70~80%」に高まっているとの評価結果を発表。また土木学会は、6月、南海トラフ地震が起きた場合、20年に及ぶ経済的被害は1,410兆円に上り、国難レベルの災害になるとして、対策の強化や都市機能の分散を進めるべきとしています。さらに続いて地震調査委員会が、30年以内に震度6弱以上の地震が発生する危険性を示す全国地震動予測地図2018年版を公表しましたが、四国では、高知75%、徳島73%、高松63%と昨年より1ポイントずつ増え発生確率が確実に上昇しています。

     こうした中で、6月18日、大阪北部地震(震度6弱)が発生し、死者4人、負傷者約430人で、住宅被害は約2万6,400棟を超えております。

     高槻市の市立寿栄小学校では外周のブロック塀の下敷きになって4年生の女の子が死亡しました。文科省は、学校の塀は耐震点検の対象外だったことを認め、各学校設置者に安全点検を求める通知を出しましたが、本県における調査結果はどうなっているのか教育長におたずねします。

     私ども県議団は、6月28日に大阪北部地震を受けての緊急申入れを知事並びに教育長に行ったところです。

     高松市では、倒壊の恐れのあるブロック塀の撤去作業を開始しているほか、通学路の点検を行っている学校もあると伺っています。そこで、学校の塀だけではなく、民間住宅・施設で早急に手立てが必要な塀の撤去・改修について、県として助成制度を創設すべきと考えます。知事のご所見をお示しください。

     また、今回の地震で本棚の転倒で1人の方が亡くなっていますが、家具や本棚などの転倒防止器具設置に対する助成制度も必要と思いますが、あわせてお答え下さい。

     現在の国の被災者生活再建支援制度では、住宅の全壊で最大300万円、半壊で最大250万円が支給されますが、一部損壊は支給の対象外となっており、今回の大阪北部地震ではほとんどが一部損壊だといわれています。県として、国に対し一部損壊にも支給できるように被災者生活再建支援法を改正するよう強く申し入れるとともに、本県でも支給の対象とすべきと思いますが、知事のご所見をお示しください。

     昨年度の県政世論調査では、「防災・減災社会の構築」が重要度で第1位となっています。ところが、住宅の耐震化は大変遅れています。平成25年住宅・土地統計調査によれば、住宅の耐震化率は全国平均82%で、本県は75%と7ポイントも下回り、全国第32位です。さらに、香川県南海トラフ地震・津波対策行動計画の評価結果によれば、住宅の耐震診断は目標に対し35.7%の進捗率となっており、大きく遅れています。国は2015年までに90%、2020年までに95%の目標達成をめざすとしていますが、本県として住宅の耐震化率をどのように向上させるおつもりか、知事の決意をお伺いします。

     なお、避難路沿道建築物の耐震診断の目標に対する進捗率は28.3%、市町の福祉避難所の運営マニュアルの作成率も29.4%で、これらも大変遅れていますが、合せて知事のお考えをお答えください。

     さて、老朽ため池の整備については、新聞報道によりますと、「農業用ため池の密集率が全国一の香川県で、1万4,000を超える中小規模のため池(貯水量10万トン未満)について防災対策が手つかずになっている」と報じられています。私はため池の防災対策も大変遅れているという認識を持つ必要があると思います。抜本的対策の強化を求めるものですが、知事の答弁を求めます。

     

    (知事答弁)

     次は、地震対策のうち、民間建築物及びため池の耐震化等についてであります。

     まず、ブロック塀の安全対策や家具類の転倒・落下防止対策については、国の動向や先進事例に関する情報収集に努めつつ、各市町の御意見を十分に伺ったうえで、議員御提案の助成制度も含め、様々な角度から検討してまいりたいと考えております。

     また、被災者生活再建支援制度については、全国知事会を通じて、適用範囲の拡大等を国 に要望しているところであり、県としては、引き続き、制度の拡充を国に働きかけてまいります。

     次に、民間住宅の耐震化については、耐震改修費の助成事業や、建築士による無料相談会などに加え、今年度は、新たに「民間住宅耐震補強低コスト工法モデル事業」などを実施し、より安価に短い工期で耐震改修ができる低コスト工法の普及を通して、民間住宅の耐震化を、より一層促進してまいります。

     避難路沿道建築物の耐震化については、建物の老朽化や改修資金の目途がつかないこと から、耐震診断に踏み込めないとの声も伺っており、引き続き、各市町と連携して戸別訪問を実施し、所有者に対して、直接、耐震化の重要性を丁寧に説明することにより、耐震診断が促進されるよう努めてまいります。

     また、市町の福祉避難所運営マニュアルについては、県が作成した「福祉避難所設置・運営マニュアル作成の手引き」を活用して、できるだけ早く作成するよう、市町に対して働きかけてまいります。

     さらに、ため池の防災対策については、今年度を初年度とする「第11次老朽ため池整備促進5か年計画」に基づき、老朽化した貯水量5千立方メートル以上の中規模ため池を重点的に整備するとともに、決壊により甚大な被害の発生が想定される防災上重要な中小規模ため池を対象に、必要な耐震化整備を行うなど、計画的かつ積極的に推進してまいります。

    (教育長答弁)

     次に、地震対策のうち、学校におけるブロック塀の安全点検についてであります。

     県教育委員会では、国からの要請も踏まえ、先月20日に、各市町教育委員会に対して、学校に設置されているブロック塀等の安全点検の結果及び安全対策等の実施状況について報告を依頼したところです。

     点検にあたっては、高さの制限や「控壁(ひかえかべ)」の設置のほか、経年による劣化や損傷の具合 等、ブロック塀等の安全対策の基準に適合しているかどうかを確認しており、各市町教育委員会の報告を現段階で取りまとめたところ、県内の小学校157校のうち57校、中学校65校のうち22校で、基準に適合していない疑いのあるブロック塀等が設置されており、そのうち小学校44校、中学校16校で、これらのブロック塀等が、道路に面しているという結果が出たところです。

     また、県立学校については、高校と特別支援学校を合わせた37校のうち29校で基準 に適合していない疑いのあるブロック塀等が確認されたところです。

     県教育委員会といたしましては、各市町教育委員会や関係機関と連携し、ブロック塀等 の安全対策をはじめとした防災対策を推進することにより、児童生徒の安全確保が一層図 られるよう取り組んでまいります。

     

     

     

    5.学校給食の無料化等について

     最後に、学校給食の無料化等について教育長におたずねします。

     「学校給食のない長期の休みに体重が大きく減る子どもがいる。それが原因で貧血で倒れる子どもがいる」こんな実態が全国に広がっていると言われています。

     学校給食のない休日において、世帯年収の低い世帯の児童は緑黄色野菜や魚介類の摂取量が少なく、栄養素ではタンパク質、多くのビタミン、ミネラル類の摂取量が少なく炭水化物の摂取が多いといわれています。こうした中で学校給食は、低所得世帯の児童の栄養状態の改善、ひいては学びへの意欲や健やかな成長の土台をつくるものとして大きな役割を果たしています。

     格差と貧困が広がる中での保護者負担の軽減だけでなく、少子化対策など地域の活性化、子育て支援や食育推進の一環として、給食費無料化や補助制度を創設する自治体が増えています。全日本教職員組合の2016年調査によりますと給食費補助を実施している自治体は199市区町村、2017年9月の「しんぶん赤旗」の調査では全額補助しているのは83市町村にのぼっています。また、都道府県別にみますと、群馬県の62.8%、山形県の37.1%、福島県の37.8%の市町村が全額補助も含め補助制度を実施しています。本県では三木町が第2子以降のこどもに給食費を補助していますが、他の市町では実施されていません。

     学校給食の無料化を推進する上で、行政側がよく言うのが学校給食法第11条で「施設・設備・運営に要する経費は学校設置者の負担、食材費は保護者の負担と定められている」という言葉ですが、法制定当時の文部省自体が「負担割合は地域の実情に応じて」という事務次官通達を出しており、保護者負担の割合をゼロにすることも可能となっています。

    先にも述べましたように、子どもの貧困が広がる中で、低所得世帯の児童の栄養状態の改善と健やかな成長の土台をつくるためにも、学校給食の無料化あるいは補助制度の創設は非常に重要と考えます。県として、学校給食法を今の現状に合わせた制度に改善するよう国に申し入れるとともに、市町に対する補助制度を創設すべきと考えますがお答えください。

     関連して、学校給食費の「公会計化」についておたずねします。現在、全国の自治体で「公会計化」しているのは約3割、学校ごとに管理・運営する「私会計」が約7割と言われています。「公会計化」は学校給食の実施主体である自治体が財政面でも責任を負うのが当然でありますが、文科省は「教員の働き方改革」として教員の負担軽減を図るため緊急提言として「公会計化」を求めています。本県で「公会計化」したうえで自治体が直接徴収しているのは、さぬき市、まんのう町の2自治体にすぎません。残る市町について、県として「公会計化」実施を強く求めるべきと思いますがお答えください。

    (教育長答弁)

     次に、学校給食の無償化等についてであります。

     学校給食の食材費は保護者の負担となっておりますが、各市町では、基準に定める収入 に達しない保護者については、就学援助制度を活用し、経済的に納付が困難な家庭を支援 しているところです。

     議員御指摘の給食費の無償化については、保護者の経済的な負担の軽減を図ることがで きますが、多額の経費を要することなどから、地域の実情等に応じて、各学校の設置者が判 断すべきものと考えています。このため、制度改善に係る国への申入れや、市町に対する補助制度の創設については、各市町の判断を受けて検討すべきものと考えています。

     また、公会計化については、文部科学省において、昨年12月に取りまとめた「学校における働き方改革に関する緊急対策」の中で、業務の役割分担・適正化を着実に実行するための方策として、自治体において学校給食費の公会計化及び徴収・管理を行う必要があると位置づけ、その導入に向けたガイドラインを作成する予定であると承知しております。

     本県では、公会計化したうえで給食費を直接徴収しているのは2市町となっております が、県教育委員会では、自治体による給食費の公会計化及び徴収・管理は、教職員の働き方改革に資することから、今後作成される国のガイドラインを注視するとともに、各市町教育委員会に対して、国の動きや、既に公会計化を実施している好事例について情報提供することで、公会計化及び直接徴収を促し、教職員の負担軽減に努めてまいります。

     

     

    (再質問)

     再質問を行います。私は知事の政治姿勢についておたずねし、問題点も指摘しましたけれども、知事の答弁は8年間やってきた成果ばかりのお話でした。

     私は浜田知事が航空便の路線拡大や県産品の販路拡大で、トップセールスをやり、また地域活性化に努力してきたことを否定するものではありません。しかし、四国新幹線導入や高松空港の民営化など財界や大企業ばかりに目が向いているのではないかと、県民の暮らしに目が向いていなんではないか、こういう立場で質問をしたわけであります。

     また、水道事業の全県一元化では、設立準備協議会で、浜田知事は、一歩先んじた先進的モデルということで、全国で注目をされておる、こういう風に述べられたと聞いておりますが、全国一の成果だと自画自賛をしているんじゃないでしょうか。これこそ、私は、安倍政権のお先棒を担ぐものではないかと、こういう風に思うわけでございます。

     私は、浜田県政は、安倍政権言いなりの県政でないのか、格差と貧困を拡大してきたのではないのか、県民の声を聞いていないのではないのか、こういうことでご質問したわけでございますが、答弁は全くすれ違っております。こういう3 点についてもう一度お答えをいただきたいと思います。

     

    (知事答弁)

     樫議員の再質問にお答えいたします。

     再度のお尋ね、繰り返しのお尋ねでございますけれども、私は心は温かい人間でございます。

     県政につきましても、笑顔で暮らせる香川を目指して、県民の皆様のための温かい県政を引き続き推進してまいる所存でございます。

     国に対しても言うべきことは言い、また、貧困格差の是正に向けて全力を挙げておりますし、県民の声につきましては、先ほども御答弁申し上げたとおり、いろいろなところで、議会の声ももちろんでございますけれども、お伺いして、それを県政に反映させるよう努力しているところでございます。

     

     

     (再質問)

     もう 1 点は、体育館の問題ですが、6月に入って臨時議会まで開いて特別委員会を設置したと、なぜそうなったのか、私は浜田知事のやり方が拙速すぎており人の意見を聴かない独善主義じゃないんですかとこういうふうに申し上げましたが知事のお答えは今までの経過の説明ばかりでありました。

     もう一度お尋ねしますが反省することはないのでしょうか。きっちりと県民に分かりやすくお答えをいただきたいというふうに思います。再質問を終わります。

     

     (知事答弁)

     県立体育館の特別委員会の設置につきましても、先ほど御答弁したとおりでございますけれども、これまで、各議会ごとに、きちんとお示しして、それに対する質疑も行われ、それについてお答えもしてきたところと承知しております。