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  • 11月議会 一般質問と答弁

    [2018.12.20] -[新着情報議会報告]

     12月12日、かし議員が一般質問に立ちました。
     質問と答弁は以下の通りです。

     

     

     一般質問を行います。まず初めに知事の政治姿勢について4点おたずねします。
     第1は、安倍政権に対する評価と知事の今後の県政運営についてです。
     「リベラル保守」を自認する、東京工業大学の中島岳志教授は「本来保守というものは、人間の理性は完全ではないと考えている。違う意見が野党から示されれば、まずは対話、議論をする。相手の言い分に道理があると思えば、調整して妥協点を探る。私の尊敬する大平正芳元首相は『政治は60点でなければならない』といっていた。60点とればいいのではない。野党に40点は与えないといけないということである」と言っています。
     さらに中島教授は、「安倍さんのキーワードは『この道しかない』で野党や国民のいうことなど聞く耳を持たない」、「TPPで日本農業をつぶしたり、『働き方改革』で『残業代ゼロ』制度をつくったり。カジノにしろ、水道民営化にしろ、種子法廃止にしろ、どれをとっても保守が共感する政策ではない」、「国会で議論せず、時間が過ぎれば最後は強行採決。これはおよそ保守のとる態度ではない。戦前の右派政治、軍人の政治に似ている。安倍さんは保守ではない」と断言しています。
     そして中島教授は「『まじめな保守』とは、亡くなられた沖縄の翁長雄志知事のような政治家である。立場を超え、郷土を守ろうとする。私は翁長さんが全身で示した「保守」の態度を受け継ぎたい」と言っています。
     以上、申し上げた点をふまえ、浜田知事は安倍政権をどのように評価していますか。今や安倍政権は信用できないと国民の声が高まるなど、ウソ、隠蔽、差別の政治であり、政治モラルの劣化と退廃は底なしで大破たんしています。私は、このような政権は、一刻も早く終わらすべきと思います。そして、平和と暮らし・福祉を守る政治の実現を強く望むものでありますが、今後の知事の県政運営について、基本的なお考えをお示し下さい。

     

    1  知事の政治姿勢について
    (1)県政運営等について
    (知事答弁)
     樫議員の御質問にお答えいたします。
     まず、私の政治姿勢のうち、県政運営等についてであります。
     現在の安倍内閣については、平成24年12月の発足以来、国内外において大きく変動する社会経済情勢の中にあって、経済政策の面で、雇用・所得環境を大きく改善してきたことなどが評価される面であると考えております。
     内閣の政権運営につきましては、国内外の諸課題について様々な観点から検討して判断され、行われているものでありますが、私としては、人口減少対策と地方創生の推進、財政健全化、累次の大災害からの復興と防災・減災対策など、様々な重要課題に強力に取り組んで頂きたいと願っているところであります。
     次に、今後の県政運営にあたっては、一つには、「災害に強い香川づくり」、またもう一つには、「人口減少問題の克服、地域活力の向上」を目指して全力を傾注したいと考えており、その実現に向け、「信頼・安心のかがわ」、「成長するかがわ」、「笑顔で暮らせるかがわ」という3本の柱に沿って、各種の施策を推進してまいりたいと考えております。私といたしましては、県政は県民のためにあるという原点に立ち、引き続き、県議会と密接な連携のもと、8市9町とも手を携え、「せとうち田園都市の新たな創造」を目指し、各般の施策に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

     

     第2は、知事公用車の公務外利用についてです。
     去る10月11日、浜田知事が2017年衆院選での候補者の応援や地方議員との新年会、高校の同窓会などに運転者付き公用車を使っていたことが新聞で報道されました。
     これは全国的にも問題になった公用車の公務外利用など公私混同をおこなった舛添要一前東京都知事と同じ事例であり首長が公用車で選挙応援や新年会、同窓会などに行くことは、まさに公務外利用のなにものでもありません。
     そもそも公用車は税金で運行している以上、今回の知事の公用車利用は、政治活動及び私的利用であり、まさに目的外使用といえます。私ども県議団は、10月17日に、浜田知事に対し知事公用車の公務外利用に対する費用の返還と「知事公用車の運用ルール」の改訂を求める申し入れを行ったところでありますが、この申し入れに対する明確な答弁を求めるものであります。
     また、知事の公用車の運転担当職員の時間外労働が、昨年度およそ1,200時間にのぼっていたとの報道が先日来なされています。その職員は、1年のうち10か月で過労死ラインとされる月80時間を上回る時間外労働をしていたとのことであり、知事はこの事実を重く受け止めるべきと考えますが、知事のお考えをお示しください。

     

    (2)知事の公用車使用について
    (知事答弁)
     次に、私の公用車使用についてであります。
     公用車の使用にあたっては、「移動元または移動先が公務場所である」ことを原則としており、そのうえで、裁判例において、知事が専用車を使用するのは、「知事が担う職責の性質、内容等に照らし、その職責を全うさせるため、知事について機動的な交通手段を確保するとともに、移動時にあっても常に連絡を取ることができるようにするなどの危機管理の観点からである」とされていることなどを踏まえて、実際の運用にあたっております。
     御指摘の例においても、こうした考え方に沿ったものと考えており、車内では、各部局からの報告・伺い等の文書の処理及び必要な連絡・指示などの公務に従事していたものであります。
     私といたしましては、公用車については、必要性を吟味して使用しておりますが、今後、より一層の注意を払ってまいりたいと考えております。
     次に、私の公用車の運転担当職員の超過勤務についてであります。
     運転業務については、代替ができにくいことや待機時間が多くなる等の特性があることから、担当職員の超過勤務時間が多くなっていますが、昨年来の働き方改革の議論も踏まえ、週休日に勤務した場合には、その振替休日を完全に消化することや、副担当者とシフトを入れ替えることを徹底するよう努めており、今年度上半期には、担当職員の超過勤務時間は、前年度同期に比べ25パーセント程度減少しております。
     私といたしましては、今後、さらにシフトの拡大等の工夫を図り、担当職員のワークライフバランスに十分配慮してまいります。

     

     

     第3は、東京都目黒区女児虐待死事件についてです。
     去る11月15日、県の第3者委員会が検証結果を報告しました。それによりますと、①虐待に係るリスクアセスメントについて、医療機関から虐待を疑うあざがあるなどと連絡があったにもかかわらず、リスクは「中度」としていたこと、②一時保護解除に係る判断について、保護者との面接で、幼稚園への通園と週末は親族宅で過ごすことの了解が得られなかったにもかかわらず、関係機関への通所等を条件に一時保護の解除を決定したこと、③転居に伴う引継について、診断書は添付していたが、アセスメントシートは作成せず、けがの写真なども添付してなかったことなどが指摘され、評価が甘く情報伝達に不備があったことが明らかにされました。また、厚労省の専門委員会の委員長は「国や自治体のマニュアルを守っていれば、亡くなる確率は低かった」と発言したと報道されています。このことについて、知事はどのように受け止めておられるのかお答えください。

     県の第3者委員会の報告書では、このような虐待死事件を起こさせないための提言として、①児童相談所の体制強化、②児童福祉司など専門性の強化、③市町の相談支援体制の強化に向けた支援の充実、④所属のない子どもの安全確認・安全確保に係る体制整備、⑤司法、医療、教育等との連携強化の5点が上げられています。
     浜田知事は「子どもたちの笑顔あふれる香川を目指す」と述べられていますが、5つの提言をふまえ、2度とこのような痛ましい虐待死事件を起こさせないために今後、どのように取り組むのか決意をお示し下さい。

     

    (3)児童虐待の防止について 
    (知事答弁)
     次に、児童虐待の防止についてであります。
     本県で関わりのあった児童が亡くなられたことは、大変痛ましく、残念であり、改めて心よりお悔やみ申し上げます。
     「香川県児童虐待死亡事例等検証委員会」の検証報告においては、本県の対応が行き届いていなかった点が指摘されたところであり、この検証報告を真摯に受け止め、改善すべき点は、早急に見直しを進めてまいります。
     児童相談所の体制強化については、来年4月、児童相談所に、児童福祉司等を計15名程度増員するとともに、法的対応力の向上なども含め、一層の体制強化について、検討してまいります。
     また、児童福祉司等の専門性の強化や市町の相談支援体制の強化については、新たに虐待に係るリスクアセスメントや、介入的なソーシャルワーク等に関する研修を実施し、専門性の強化を図るとともに、市町職員向けの研修の充実等を通じ、市町の相談支援体制の強化も図ってまいります。
     子どもの安全確認・安全確保に係る体制整備や、司法、医療、教育等、他分野との連携強化については、先月、県と県警察との間で、従来の協定を見直し、「児童虐待事案対応の連携強化に関する協定」を締結したのに加え、今後は、地域の「要保護児童対策地域協議会」において、児童相談所と、警察や市町のほか、医療機関や学校等の関係機関との連携を一層強化してまいります。
     私といたしましては、検証報告で示された改善策や御提言を着実に実施し、今後二度と、痛ましい事件が発生することのないよう、児童虐待の未然防止、再発防止に向けて、全力で取り組んでまいります。

     

     

     第4は、新県立体育館についてであります。
     私は、6月議会の一般質問で、①需要予測の見直し②施設規模と予算規模の見直し③民営化には反対であり直営も検討すべき、④デザインだけでなく機能性、利便性を重視した県民に愛される施設とすべきと質しました。これに対し工代教育長は、需要予測は適正に推計されたものと考えている。なおランニングコストの圧縮は重要な課題であり、需要予測や収支についても精査する。管理運営は民間のノウハウを活用したいと考えているが、県がみずから運営する場合のほか、官民連携の手法を総合的に比較検討する。特別委員会の提言も踏まえ、機能的で利用しやすい施設をめざすと答弁されました。
     ところが、需要予測や収支についての精査の結果や運営方法については直営も含め総合的に比較検討するとしていた検討結果も出されないまま、今議会で新県立体育館整備事業費1,000万円余、31年度の債務負担行為2,600万円を含めると3,600万円余の予算案が提案され、体育館の基本設計に係るコンストラクション・マネジメント業務等を行うとしています。今後、基本設計を進めていくと言うなら、需要予測や収支・運営方法についても示されなければならないと考えますが、これはどうしてですか。知事におたずねします。
     また、コンストラクション・マネジメントについては、建設プロジェクトにおいて建設発注者から委任を受けたコンストラクション・マネジャー(CMr)により、中立的に全体を調査して、所期の目標に向かって円滑に事を運ぶ為の行為であるといわれていますが、今回、コンストラクション・マネジャーが発注者である県の立場で設計案に対する客観的な評価を行い、機能性や利便性の向上に効果を発揮できるのか、疑問も残ります。知事のご所見をお示し下さい。

     

     

    (4)新県立体育館について
    (知事答弁)
     次に、新県立体育館についてであります。
     新県立体育館の管理運営につきましては、できる限り民間のノウハウを活用できるよう、県教育委員会において、業務への参画意向を有する事業者から具体的な提案を求めるなど、管理運営方法の検討を行っており、この中で需要予測や収支についても、改めて施設の利用用途や利用頻度等を調査のうえ、精査しているところであります。
     今後も、基本設計の進捗状況等にあわせ、さらに民間事業者の御意見も伺いながら、利用者にとって低廉で良質なサービスが提供できるよう、県が自ら運営する場合も含め、十分検討していく必要があると考えております。
     また、コンストラクション・マネジメントにつきましては、議員御指摘のとおり、発注者の立場に立って、基本設計案に対する客観的な評価が行われることが重要であり、このため、設計業務の受託者と資本や人事面でつながりのないこと、大規模な建築プロジェクトに係るマネジメント業務の実績を有すること等を入札参加資格要件とすることで、的確な業務の履行が期待できる業者を選定し、機能性や利便性の向上に繋げてまいります。

     

     

    2 国民健康保険制度について
     次に、高すぎる国保料(税)の引き下げについておたずねします。
     国民の4人に1人が加入し、国民皆保険制度の重要な柱を担うべき国保が、他の医療保険制度に比べ著しく不公平で、庶民に大変重い負担を強いる制度となっています。これを解決することは重要な政治課題です。
     かつて、全国知事会は、国保料(税)を「協会けんぽの保険料並み」に引き下げるために「1兆円の公費負担増が必要」と言及しています。国保財政への公費負担は、国と都道府県で4.6兆円、そのうち国が75%、都道府県が25%を負担しています。国保制度改革にあわせて毎年3,400億円の財政支援の拡充がされることになりましたが、これを1兆円に増やせば、国保料(税)を協会けんぽ並に引き下げることができると思いますが、知事のご所見をお示し下さい。
     国保加入者の平均保険料(1人当たり)は、政府の試算でも中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍という水準です。国保料(税)が、被用者保険と比べて著しく高くなる大きな要因は、国保にしかない「均等割」「平等割」という保険料算定です。「資産割」「平等割」は、自治体の判断で導入しないことも可能ですが、「均等割」は法律で必ず徴収することが義務づけられています。
     “人間の頭数”に応じて課税する人頭税は、古代に作られた税制で、人類史上で最も原始的で過酷な税とされています。これが21世紀の公的医療制度に残っているのです。この時代錯誤の仕組みこそ、国保料(税)を低所得者や家族が多い世帯に重い負担にしている最大の要因です。これを廃止し、所得に応じた保険料(税)とすべきと考えますが、知事のご所見をお示し下さい。
     私は、2月議会において、今年度からスタートした国保の都道府県化について、国の3,400億円上乗せでは足りない、国保料(税)は値上げになると指摘しましたが、現実に、高松市では大きな値上げになっています。
     所得300万円で、世帯主40才以上(夫婦子ども2人の4人家族)の場合、保険料は、528,800円です。前年度と比べ、固定資産税ありの場合でも、人によっては3万5,400円アップ、固定資産税なしが5万円アップで、高松市が「資産割」を廃止したため、資産なしの負担がより多くなっています。
     全国で「均等割」「平等割」として徴収されている保険料(税)額は、およそ1兆円です。公費を1兆円投入すればそれをなくすことができ、協会けんぽ並みに引き下げられます。高松市の事例で所得300万円で4人家族の場合、528,800円の保険料が、協会けんぽの保険料は、高松市の場合、368,160円ですから、それが実現できれば、16640円、30%引き下げることができる試算となります。こうなれば大変喜ばしいことと思いますが、県として国に対し、1兆の公費を投入するよう強く要望すべきと思いますが、知事のご所見をお示し下さい。

     さて、ドイツやフランスでは、所得が一定基準を下回り、医療保険料の負担が困難とみなされる人は、保険料を免除し、国庫でその財政を補う制度が整備されています。現行の国保制度には、災害などで所得が激減した人の保険料は一時的・臨時的でしか免除されません。貧困と格差が広がる日本でこそ、生活に困窮する人の国保料(税)を免除する制度が必要と思いますがいかがでしょうか。また、滞納者からの保険証取り上げは、国民的な批判が高まり減少していますが、正規の保険証が発行されない世帯は100万を超え、受診抑制による重症化・死亡事件が全国で起きています。私は、保険証の取り上げをなくすため国保法9条を改正し、滞納者の生活実態をよく聞いて、親身に対応する相談・収納活動に転換すべきと思いますが、知事のご所見をお示し下さい。

     

     

    2 国民健康保険制度について
    (知事答弁)
     次は、国民健康保険制度についてであります。
     国民健康保険財政における公費負担については、現在、国民健康保険は給付費の5割以上計4.6兆円、協会けんぽは給付費の16.4パーセント計1.2兆円、健康保険組合には公費負担がない中で、国民健康保険に対して、さらに公費負担を投入すれば、保険料の引き下げにはつながりますが、国・地方を通ずる厳しい財政事情の中で、国保の財政基盤の強化を目指した今回の制度改革において、国の財政負担を含め、様々な議論が行われ、平成27年2月に国と地方間で、公費を3,400億円拡充することで合意したものと承知しており、まずは、この財政支援を、今後も国の責任において確実に実施することを求めてまいりたいと考えております。
     国民健康保険料の算定については、応能・応益原則に基づいて、法令に定められたルールの中で、各市町において、適切に判断されるべきものでありますが、御指摘のように、均等割、平等割を廃止した場合、現行の応能負担を2倍程度に引き上げることになり、賦課限度額を引き上げなければ、低所得者にしわ寄せがいき、引き上げれば、受益と負担との間に著しい不均衡が生じるという、問題があると考えております。
     国への公費負担の要望については、全国知事会は、医療保険制度間の公平と今後の医療費の増(ぞう)嵩(すう)に耐えうる財政基盤の確立を要望しており、本県も財政支援の確実な実施を要望しているところです。
     国民健康保険料の免除については、現行の減免制度を活用し、各市町において、生活実態も踏まえ、適切に対応しているものと考えております。
     国民健康保険法第9条に定める被保険者証の返還及び被保険者資格証明書の発行等については、厚生労働省の通知により、保険料を滞納している世帯主等と直接接触する機会を確保することによって、十分な納付相談を行うこととし、その納付相談の機会を増やすために、「短期被保険者証」を活用することが定められているところであり、各市町において、これに沿ったきめ細かな対応が行われる必要があると考えております。

     

     

    3 防災対策について
     次に、防災対策についておたずねします。
     この間、大災害が相次いでいます。地震では大阪北部地震、北海道胆振東部地震が起き、豪雨・台風災害では西日本豪雨、台風21号などで大きな被害が生じました。東日本大震災、熊本地震など大地震が相次ぎ、日本列島の地震活動が活発化しています。風水害の激甚化などの背景には、地球規模での気候変動があることは否定できません。自然災害が多発する日本列島において、国民の命と財産を守ることは政治の責任です。私は以上の立場から、重視すべき点として以下5点指摘しておきたいと思います。

     第1は、公共事業のあり方を抜本的に見直すことです。橋やトンネル、学校や病院など公共施設の多くが建設後50年を経過する時期を迎えます。公共事業を大型開発、新規事業優先から、防災と老朽化対策に重点を移すこと。ダム偏重の治水政策を見直し堤防の強化などをはかることも重要です。
     第2は、住民に正確な情報を提供することは防災対策の土台です。避難についての的確な方針やそれを実施する体制の確立など災害を最小限に食い止めるためにあらゆる英知を結集すること。
     第3は、消防や自治体など地域の防災力を高めることです。全国で消防職員の充足率は77.4%、5万人近く足りません。本県の場合は、充足率68.9%で、529名不足しており、災害対策の最前線が弱体化しています。抜本的対策が強く求められています。
     第4は、住民を支える医療・福祉の体制を災害対策という角度から見直すことです。災害から命を守るという点でも、社会保障の切り捨て政治を続けていいのかが厳しく問われています。
     第5は、被災者支援、復旧、復興への公的支援を抜本的に強化することです。公的支援について「私有財産の再建は支援しない」などの壁を完全に取り払い生活と生業の再建に向けて適切な支援を行うことを原則にすべきです。
     以上、5点について、知事のご所見をお示しください。

     さて、先の代表質問で、知事は「来年度から民間施設のブロック塀の撤去に対して補助する市町への支援制度の創設を検討する」と答弁され、私どもの要望が実ることになりました。
     私は、これと合わせて、指定避難所である学校の体育館へのエアコン設置を強く求めるものです。
     文科省は、今年4月に「学校環境衛生基準」を一部改正し、今までの「望ましい温度の基準」冬10℃以上、夏30℃以下を、冬17℃以上夏28℃以下に見直しました。ところが、学校現場では、電気料金節約のため「室温が30℃を超える」「電気使用料が一定を超えると警報が鳴り、校長が冷房を切って回る」などの実態もあるやに聞いています。このことについて、わが党の山下副委員長が参院総務委員会で取り上げ、電気料金の増額分を普通交付税で措置することを求め、石田総務相は、来年度から適切に措置すると答弁しました。また、猛暑日の体育の授業や全体行事、災害時の避難所に使用される体育館にエアコン設置が必要であるとして、補正予算の特例交付金以外にも、7割が交付税算入される緊急防災減災事業債が活用できることを自治体に周知するよう求めました。
     本県の場合、冷房設置率は小中学校の普通教室100%、特別教室89.9%と全国平均の約5割を大きく上回っていることは評価できます。しかし、体育館等の設置率は2.6%で全国平均を上回ってはいるものの大きく遅れています。
     私は、自主防災組織の活動を行っていますが、台風時に地元の小学校体育館に避難されて来た方に扇風機で暑さをしのいでもらったことに胸を痛めています。体育館へのエアコン設置の促進について知事並びに教育長の決意をお伺い致します。

     

     

    3 防災対策について
    (知事答弁)
     次は、防災対策についてであります。
     まず、公共事業については、地域の実情やニーズを十分に踏まえ、地震・津波対策海岸堤防等整備事業をはじめ、県民の皆様の安全・安心の確保や活力ある県土づくりに必要な社会資本の整備と維持管理に努めているところであります。
     また、災害時における情報伝達については、県民の皆様に正確な防災情報を迅速に提供して、適切な避難行動につなげるよう、今後とも各市町と十分に連携し、情報伝達体制の充実等に努めてまいります。
     さらに、地域の防災力については、その最前線となる消防本部について、各市町が職員も含めて、その充実に取り組んでいるところであります。
     県としては、消防本部と連携して活動する消防団について、消防団員応援制度等により、団員確保等の支援を行っており、今後とも自主防災組織の充実を含め、地域防災力の強化に努めてまいります。
     また、医療や福祉などの社会保障については、県としては、国との適切な役割分担のもとで、本県の実情を踏まえ、災害時の対応にも留意しながら、医療や介護、子育て等の施策に積極的に取り組んでまいります。
     さらに、被災者等への公的支援については、被害の程度等に応じて、被災者生活再建支援金の支給や、災害援護資金の貸付け等を行うこととしており、これらの支援を迅速に行うことにより、早期の生活再建、復旧、復興につなげてまいります。
     また、公立小中学校の体育館の空調設備の整備は、国の交付金事業や緊急防災・減災事業債の対象とされているところでありますが、いずれにいたしましても、学校の体育館を含む避難所の環境整備については、各市町が主体となって行っているところであり、県としては、避難体制強化のための必要な助言や支援を行ってまいります。

     

    (教育長答弁)
     樫議員の防災対策についての御質問にお答えいたします。
     本県の公立小中学校において、空調設備が設置されている体育館はありませんが、武道場や卓球場等に空調設備が設置されている事例があり、こうしたものを含めると、設置率は2.6パーセントという状況です。
     体育館は、学校の教育活動だけでなく、災害が発生した際には、周辺地域の避難所としても使用されることから、空調設備の設置については、避難所を設置・運営する市町の防災担当部局とも十分協議しながら対応する必要があるものと考えております。
     県教育委員会といたしましては、公立小中学校の体育館への空調設備の整備には、文部科学省の学校施設環境改善交付金を活用することができるため、市町教育委員会に対し、その情報提供など、必要な助言を行ってまいります。

     

     

    4 県営住宅について
     最後に、県営住宅問題についておたずねします。
     国の住宅政策の基本である「住生活基本法」は、公営住宅について、国と地方公共団体は、国民の居住の安定の確保のため、公営住宅の供給を行うことを定めています。しかし、全国の公営住宅数は、2006年度の219万戸から2016年度の216万戸と10年間で3万戸も減少していることは大きな問題だと思います。
     今年は、地震、台風、豪雨の多発など大規模災害が相次ぎ、災害公営住宅の重要性とともに、災害に備える公営住宅の確保と整備が求められています。ところが、本県の「県営住宅長寿命化計画」では、2015年現在、387棟、6281戸を管理しているが、計画期間終了の2025年度には、297棟、5,786戸と管理戸数が495戸も減少する計画となっています。
     私は、南海トラフ巨大地震の発生確率が増大する中で、県営住宅の削減は直ちにやめ、災害に備えるため、県営住宅の建設、改善・整備を今こそやらなければならないと思います。特に、高松市内でいえば、利便性の高い松島団地や西春日団地の一部は耐用年限の到達により用途廃止するとされていますが、計画を抜本的に見直し、建て替えを実施すべきと思いますが、知事のご所見をお示し下さい。

     さて、国交省は、今年330日、住宅局長名で「公営住宅管理標準条例(案)について」の改正を各都道府県に通知しました。理由は民法の一部改正や単身高齢者の増加などとしています。
     今回の主な改正の第1は、入居手続きでの保証人の義務付けをおこなわない(標準条例(案)での規定の削除)としたことです。国交省は「住宅に困窮する低所得者への住宅提供という公営住宅の目的を踏まえると、保証人を確保できないために入居できないといった事態が生じないようにしていくことが必要」であるとしています。本県として、直ちに条例の中に規定されている保証人の義務付けを削除すべきです。
     主な改正の第2は、家賃の減免又は徴収猶予についての説明に民生部局との十分な連携を追記したことです。
     本県では、住宅家賃の長期滞納者に対して住宅の明渡しを求める訴訟を提起していますが、悪質滞納者は別として、生活困窮者に対しては、そこに至る前に民生部局との連携があれば、そうした事態を防ぐことができた可能性もあり、生活保護の申請や家賃減免などの負担軽減措置の適用を十分に配慮して行うべきと考えます。
     主な改正の第3は、入居資格・入居者条件の見直しです。入居者の資格については、標準条例(案)では、同居親族要件が削除され、単身世帯等の入居が広がることになりました。また入居者条件の説明では「国税・地方税を滞納していない者」が削除されています。本県としても、国交省の「公営住宅管理標準条例(案)」にならい、住宅条例の改正を行うべきであります。
     以上、主な改正の3点について知事のご所見をお示し下さい。

     

     

    4 県営住宅について
    (知事答弁)
     次は、県営住宅についてであります。
     災害時の住宅確保に関しましては、県では、本年3月に、「応急仮設住宅の供給に関する基本方針」を見直したところであり、発災後6か月間で、応急仮設住宅を計3万2千3百戸供給することとし、このうち9百戸については、市町と連携しながら公営住宅の空き住戸を活用して対応することとしています。
     なお、「県営住宅長寿命化計画」においては、耐用年限を迎える県営住宅について、原則廃止することとしておりますが、予防保全的な観点から既存ストックの長寿命化も検討し、限られた財源の中で、安定した供給を行いたいと考えています。
     公営住宅管理標準条例案への対応のうち、保証人の取扱いについては、今後、再来年4月に施行される改正民法による債権関係の規定の見直しや、改正標準条例案の内容及び他県の状況も参考にしながら検討してまいりたいと考えています。
     家賃の減免又は徴収猶予の取扱いについては、これまでも減額手続きを行っていない家賃滞納者には、必ず、減免申請を促すとともに、生活保護の受給について福祉部局と連携するなど、生活に困窮する入居者を、個別に支援しています。
     入居者資格や入居者条件の取扱いについては、本年10月、これまでの60歳以上の単身者に加え、30歳以上の単身者も県営住宅に入居できるよう、県営住宅条例の改正を行ったところです。
     また、現在、県営住宅条例で県税を滞納していないことを入居者条件としていますが、今後、他県の状況も参考にしながら、検討してまいりたいと考えております。

     

     

    (再質問)
    1  知事の政治姿勢について
    (1)県政運営等について
     私は、知事に対して安倍政権に対する評価をお尋ねしました。「リベラル保守」を自認する東京工大の中島先生の例を引いて、安倍内閣は右派政治だ、軍人の政治に似ていると安倍さんは保守ではないと、こういうことを言い切っているのに対して知事はそれに対して答えがありませんでしたので、これに対してどう考えているのか、評価をお伺いしたいと思います。

     

    (知事答弁)
     樫議員の再質問にお答えいたします。
     安倍内閣に対する評価につきましては、色々な御評価があろうかと存じますが、私としては、先ほど申し上げたとおり、雇用・所得環境の改善等の面が評価されるものではないかと考えております。

     

      

    (再質問)
    1  知事の政治姿勢について
    (2)知事の公用車使用について
     2点目はですね、知事公用車の公務外利用ですが、職責全うのため、そうした目的に沿ったものと知事はおっしゃっていますけれども、選挙応援、それから議員の新年会、それは政治活動ではないのですか。同窓会は私的利用ではないのですか。
     私は、そう考えますとですね、これが公務とは言い難いというふうに思っていますがその点についてお考えをお示しください。
     また、今働き方改革がいわれていますけれども、それを率先して行うのが知事の仕事だと思うのです。ところが、運転担当職員が、過労死ラインを上回るですね、残業をさせたと。
     これに対して、知事はどういうふうに今後改善していく、この点をですね、はっきりしていただきたいというふうに思います。

     

    (知事答弁)
     私の公用車使用についてでありますが、選挙の応援につきましては、判例上、これは公用車の使用が認められるというものがございます。
     ただ、私としては、この選挙応援、あるいは、後援会等に行くためにそれを使用したということではなくて、先ほども申し上げたとおり、職責を全うするために、その車中において、公務を実施遂行をしていたものであり、御理解賜りたいと存じます。
     また、私の働き方そのものがどうかという答えにつきましては、私は、24時間、県民の皆さんのために働いてまいりたいと、これを続けてまいりたいと思っております。
     運転手のこういった労働環境、ワークライフバランスについては、それはきちんとまた改善していく必要があるとも思っております。

     

      

    (再質問)
    1 知事の政治姿勢について
    (4)新県立体育館について
     それから、新県立体育館ですけれども、約200億円の予算ということなんですが、私いろいろ意見聞いてみましたら、1万人規模のコンサート、年25回、これは過大な見積りではないかと、こういうふうに言われてます。
     この問題についてですね、需要予測について、はっきりと精査をしていただきたい、この点を訴えて、質問を終わります。

     

    (知事答弁)
     体育館につきましては、6月議会で教育長から御答弁申し上げたとおり新県立体育館の基本計画の策定にあたり、利用用途等をあらかじめ調査推計し、メインアリーナ等の規模機能を決定するために、この市場調査をコンサルタント会社に委託して既に実施しております。
     この中で、需要予測についても、他のスポーツ施設やMICE施設の状況、市場動向を考慮するとともに、様々な団体等に対しヒアリングを行った結果をもとに、推計したものがこの基本計画に織り込まれております。
     収支につきましても、支出が収入を上回る結果となっておりますが、公共サービスを目的とする公立体育館として、一定の負担は生ずるものと考えております。
     なお、この先ほども申し上げたとおり、管理運営をさらに検討、方法を調査する中で、需要予測や収支についてもさらに精査してまいりたいと考えております。